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バロンズ:感謝祭を前に、米株やビットコインなど大幅高


Barron’s : U.S. Stock Market And Bitcoin Show A Roughly Tandem Ascent Before Thanksgiving Day.

バロンズ誌、今週のカバーは海外株を取り上げる。過去10年にわたり米株相場は世界の株式市場をけん引し、S&P500は10年間で平均14%高を遂げてきた一方、MSCIオール・カントリー・ワールド(除く米国)指数は4.7%高にとどまる。しかし世界の人口の96%、世界経済の85%を占めるその他諸国を見逃すことは、パンデミック後の景気回復を踏まえれば間違いだ。今回、バロンズ誌は4人の専門家を招き、海外株の魅力を追求。ひとまず、専門家はバイデン氏の米大統領就任と建設的となるであろう米国の対中アプローチに楽観的な見方を表明、トランプ政権下の米中貿易戦争で欧州株や日本株が打撃を受けたが、こうしたリスクは回避されると見込む。また、現状は新型コロナウイルスの感染者増加に直面しながらも、ワクチン開発などの好材料もあって世界的な回復を予想。欧州株や日本株のような景気循環株、バリュー株が集まる市場に熱い視線を向ける。専門家が注目する個別銘柄のうち、日本からはヤマハが入った。その他、気になる注目の個別銘柄は本誌をご覧下さい。今回、選ばれた専門家は以下の通り。

〇アポロ・グローバル・マネジメントのトーステン・スロック首席エコノミスト(在NY)
〇ベイリー・ギフォード・インターナショナル・アルファ・ファンドのマネージャーであるジェニー・デービス氏(在エディンバラ)
〇カウンターポイント・グローバルの共同最高投資責任者であり、モルガン・スタンレー・インターナショナル・オポチュニティ―・ポートフォリオのマネージャーであるクリスチャン・ヒュー氏(在香港)
〇イートン・バンスのグローバル・エクイティ・ディレクターでカルバート・インターナショナル・ファンドのマネージャーであるクリス・ダイヤー氏(在ロンドン)

当サイトが定点観測する名物コラム、アップ・アンド・ダウン・ウォール・ストリート、今週のカバーは米株高に焦点を当てる。抄訳は、以下の通り。

投資家、感謝祭前に超強気モード継続―Investors Are Gorging on Hyper-Bullishness as Turkey Day Nears.

「それは最良の時代でもあったし、最悪の時代でもあった」とはチャールズ・ディケンズの名言だが、良識と愚かさを象徴する言葉でもある。今まさに、人々の間でパンデミックやまだらな経済回復、気候変動、深い政治の分断などを超え、楽観的な見方が支配的だ。新型コロナウイルス向けに開発されてきた2つのワクチンは、確かに90%以上と極めた高い有効性を確認し、年内に流通する期待がある。その影響で、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチがポートフォリオ・マネージャー向けに行った調査では、過去20年間で最も力強いリターンを得ると見込んでいることが分かった。実際に、株式のオーバーウェイトは2018年1月以来で最大に、現金保有は4月15日以来で最低となった。

インベスターズ・インテリジェンスが過去2週間に行った調査でも59.6%のアドバイザーが「強気」と回答、前回の59.2%から上昇した。また「弱気」との回答も19.4%から18.2%へ低下。「強気」と「弱気」のスプレッドは40%超えと、マーケットがピークを迎える時の水準に達した。

根拠があるかないかは別として、電気自動車メーカーのテスラの株価に熱狂ぶりが表れている。同社の株価は17日、S&P500日に12月21日から組み入れられると発表された影響もあって、約20%も急伸して11月16日週を終えた。

マイナス金利の債券発行残高が増える陰で、オルタナティブ資産である暗号資産が高騰し、ビットコインは一時は1万8,000ドルと3月の安値から3倍も急騰した。ピーター・アトウォーター氏は、自身が執筆する”フィナンシャル・インサイツ”でビットコインとテスラ株が連れ立って上昇していると指摘。その上で「共に投機的で、且つ未来的でテクノロジーの先端をいく資産だが、ビットコインなど暗号資産はドルを含め世界の秩序崩壊の際のヘッジとはならない」と警告する。しかし、金の上場投資信託(ETF)から資金が流出するにも関わらず、ビットコインは上昇をたどった。

チャート:テスラ株とビットコイン

(作成:My Big Apple NY)

一方で、”ガートマン・レター”で知られるデニス・ガートマン氏は、米企業幹部による自社株売却が進んでいることに懸念を示す。同氏によれば、米企業幹部による売却・取得レシオは58対1へ急伸しており売却が取得を大幅に上回る状況で「暫定的な株価の頭打ちを示唆する」という。同時に、米企業幹部の自社株売却は、将来のキャピタルゲイン税引き上げを予想した動きとも捉えられよう。卸売大手コストコが44億ドル相当の特別配当に踏み切ったのは、同じくキャピタルゲイン税引き上げを念頭に入れた動きとみられ、これまでこうした傾向があった。

上昇相場で利益を得た人々は、多くの人々にとって最良の日となる感謝祭にかけて施しをするのだろう。

――株高、債券高、ビットコイン高と世界的に過剰流動性相場花盛りの状況は、ワクチン開発の進展もさることながら、各国主要中銀の追加緩和期待が後押しとなっていることでしょう。イングランド銀行が11月5日に量的緩和の拡大を決定、国債買い入れ枠を1,500億ポンド増やし8,900億ポンドに設定しました。欧州中央銀行(ECB)も、ラガルド総裁によれば「パンデミック緊急購入プログラム(PPP)、並びに市中銀行を対象に条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)日の拡大に言及。また感染者数の急増を受け、米連邦公開市場委員会(FOMC)も米国債買い入れ規模の拡大が見込まれるとあって、世界的にリスクオン相場に火が点いたかのようです。

(カバー写真:Sam valadi/Flickr)

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