記事

「“1人1アバター”時代になる」VRアバター生成サービスが次々、活況のVTuber市場 “人類史の大きな変化”の可能性も

 “1人1アバター”の時代はすぐそこかもしれない。VRアバターを生成するサービスが次々と現れている。

 pocketRDが開発・発表した「マイアバター」。このシステムを使うと、撮影からVRアバターの生成、編集をすべて自動で行うことができる。機械内部に取り付けられた20以上のカメラで撮影され、作成されたアバターはすぐに他のゲームで使用することが可能。完全自動で自分のアバターをつくり、そのアバターをすぐ他のゲームで使用できるのは世界初だという。

【映像】自分のアバターがゲームの中に

 このシステムは来年の5月には正式発売を目指しているといい、pocketRDの西川由衣さんは「こういった自分自身の分身、アバターというものは、ファッションやスポーツ、エンタメはもちろん、さまざまな業界の新しいソリューションの手助けができると思っている」と話した。

 さらに、海外では画期的なソフトも。ウェブカメラで自分を撮影し、その動きをリアルタイムでアバターに反映。手軽にVRアバターを作成できるのが「Animaze」。アバターはサメやハンバーガーなどさまざまなものが用意されているほか、ZoomやSkypeなどのビデオ会議やライブストリーミングに使うことができる。

 そしてVRアバターといえば、日本で今注目されているのがYouTubeに投稿を行うVTuberだ。約70カ国のYouTube配信者が使える投げ銭機能「スーパーチャット」では、累計獲得額トップ10のうち7人を日本のVTuberが占め、大きな話題となっている。

 そして、一般の投稿のみならず使い方もさまざま。都道府県魅力度ランキングが去年まで最下位だった茨城県は、VTuber「茨(いばら)ひより」を使ってPR。その成果もあり、今年は最下位からの脱出に成功した。

 また自治体にとどまらず、企業でも活用されている。ロート製薬の広報部員でもある「根羽清(ねばせい)ココロ」。2018年から活動が始まり、彼女の発信によってこれまであまり「ロート製薬」を知る機会のなかった人にも届いているという。

 官民にまで幅を広げ、その数は国内で1万3千人にのぼるという、まさに“VTuber戦国時代”。自身もVTuberとして活動するバーチャルエコノミストの千莉さんは、「VTuberの画を書く人や動きを再現するテクノロジー、バーチャルリアリティーのテクノロジーも進化しているので、かっこいい・かわいいVTuberをより作りやすくなったという現状があるから、全体的にVTuberの数も増えている」と話す。

 もともとは証券会社に勤めるも脱サラし、1年半前から活動を始めた千莉さん。VTuberの一番の強みはオンラインイベントとの親和性だという。

 「VTuberの何がすごいかというと、VTuberを再現できているVR技術。コロナによってオフラインのイベントが難しくなっている現状がある中で、ミュージシャンのライブなどもオンラインで行う。オンラインで、特にVR空間でイベントをするという時、例えば私だったらこの体のまま行けるが、芸能人の方は難しい。そういう点では、バーチャルリアリティーだったりオンラインのイベントは、VTuberの方がより親和性は高いのかなと」

 今後はVTuberだけではなく、VRアバターを持つ時代になると千莉さんは分析する。

 「私が注目しているのは、VTuberというよりVTuberに関連したバーチャルリアリティーのテクノロジー。VTuberとテクノロジーの発展が相互に作用していることを考えると、これからはVRの時代になっていくと思っている。これからはもはや“1人1アバター”、何年後かはわからないがほぼ確定でみんながアバターを持つ時代になると思う」

 一方、『WIRED』日本版の『“アニメ化”する人気配信者たち:アヴァターによるライヴストリーミングが急拡大する理由』という記事では、人気配信者がアバターを選ぶ背景について、「普通のストリーミングにはない自由を目いっぱい感じられる」などの配信者の声を紹介した上で、“容姿をしつこく品定めされることもない、身体的な外見という呪縛からの解放だ”としている。

 『WIRED』日本版編集長の松島倫明氏は「もともとライブストリーミングをされていた方が、続々とアバターを使い出しているというのが面白い。表情やアクションといった言語以外のコミュニケーションを維持しながらもアバターになることで、体験やコミュニケーションの質が上がっているという。いまや誰もが動画を配信し、スクリーンの主役になれる時代になったからこそ、生得的に持っている外見から自由になって“自分がなりたい外見になる”という、人類史の大きな変化が起こっている瞬間かもしれない」と解説する。

 さらに、この先のVTuber市場については、「生身の人間をスキャンしてアバターにしていく技術も、いまものすごく出てきている。今後人々は、リアルなアバターを使うようになるのか、アニメのキャラクターのようなものを使うようになるのか、あるいは両方を使い分けるのか、社会的にも面白い実験だ。AR技術によって、現実の空間に千莉さんのような人々が出てくるミラーワールドも到来する。バーチャルエコノミーの規模は一気に広がっていくだろう」と語った。
(ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

映像:Twitterで話題の“ガイコツ先生”を直撃

あわせて読みたい

「VR」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    共産党の式欠席に「ありえない」

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  2. 2

    渋野騒動 日テレのスポーツ軽視

    WEDGE Infinity

  3. 3

    竹中氏もMMT認めざるを得ないか

    自由人

  4. 4

    簡単に休業要請 橋下氏「最悪」

    橋下徹

  5. 5

    韓国はなぜ延々謝罪を要求するか

    紙屋高雪

  6. 6

    株バブル過熱で短期調整の可能性

    藤沢数希

  7. 7

    無策の菅政権「日本危なくなる」

    畠山和也

  8. 8

    秋篠宮さまにみる結婚反対の本音

    女性自身

  9. 9

    なぜベーシックインカムに反対か

    ヒロ

  10. 10

    上司無視…モンスター部下の実態

    PRESIDENT Online

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。