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1%の富裕層出身 岡田副総理が生活保護を事業仕分けの対象にする弱い者いじめの人気取り

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(食事の回数も減らし、服は買わず、地域の行事にも参加できない。それが生活保護受給世帯の実態。パチンコに行っているなどごく一握りの人に過ぎない)

 岡田克也副総理は2012年11月5日、増え続ける生活保護費について「『仕分け』の中で専門家を入れて議論したい」と述べ、16日からの事業仕分けの対象とする考えを示しました。

 融通が利かないので原理主義者と呼ばれる岡田氏ですが、3年前に政権を奪取したときには生活保護水準切り下げ反対をマニフェストに掲げていたのに、それをかなぐり捨てて生活保護者いじめと仕分けを支持率最低の野田民主党の人気取りに利用するなんて、自民党や維新の会と変わりません。

 そもそも、岡田氏は生活保護を事業仕分けに欠けることを東京都足立区の若者の就労支援施設を視察後、記者団に語ったそうなんですが、生活保護の視察なら、月々4万円そこそこの家賃の部屋に住んで、一か月8万円で生活してみたらどうでしょうか。この人は同じく弱い者いじめの消費税増税に反対するマニフェストも堂々と放棄したのですが、イオンの御曹司には99%の生活者の視点が全くないのではないでしょうか。

 さて、財務省は、2013年度予算編成で、生活保護費の給付水準を引き下げる方向で見直す方針を固め、厚生労働省と調整に入っています。生活費や住居費の減額などだけでなく、医療機関の窓口で 医療費の一部をいったん自己負担する制度の導入も提案しています。

 財務省などに言わせれば、2012年度当初予算では国費ベースで2兆8千億円を計上しているので、財務省は国の財政状況が悪化する中、膨張に歯止めをかけることが急務だと主張するのですが、生活保護費全部を合わせても福祉予算の中で占める割合は下の図のようにわずかです。

河本準一さん親子問題から考えると間違える。生活保護の本質は憲法上の基本的人権である生存権の保障だ!

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  そもそも、生活保護基準は、国民の生活を支える「最後のセーフティネット」として、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の基準です。生活保護基準が下がれば、生活保護によってかろうじて日々の生活をつないでいた212万4669人=154万9773世帯(2012年7月のわが国の生活保護受給者数)の方々の生活を直撃します。

 生活保護費は基本的に貯蓄が許されませんのですべて消費されます。生活保護制度は社会政策であると同時に、有効需要を喚起する経済政策でもあります。これを切り下げれば当然、内需は縮小します。

 また、生活保護をめぐる不正受給は確かに問題ですが、ことさらにそればかりマスメディアが報道していることで実際よりはるかに過大に国民の目に映っています。実際には、不正受給者は全体の1%にも満たない割合です。

 生活保護費・受給者数は特に2008年のリーマン・ショック以降に増えているのです。そもそも、下のグラフのように、生活保護受給者は働こうにも働けない高齢者と傷病者・障害者の割合が圧倒的に高いのです。一昔前までは、正規雇用が中心でしたが、昨今の雇用の多様化により非正規雇用が増加し、最後のセーフティネットである生活保護の利用が増加したことは否めません。政府が生活保護費の増大を憂うるのなら、有効な経済政策をこそ打ち出すべきです。

基本的人権である生存権保障の最重要制度 生活保護基準の引き下げに反対する
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 最低賃金で働いた場合より支給額が多い逆転現象も一部地域で起きていますが、それは最低賃金が低すぎるのであって、内需拡大のためにも、せめて働けば生活保護より楽な生活ができるように、最低賃金を引き上げることを考えるべきです。

 特に、就労による給与を得ていても、その額が生活保護基準に満たないことから、やむなく生活保護を利用している方々も多数おられます。そういう人々は、生活保護基準の引き下げがなされれば、生活保護費と最低賃金の低下により、両面から収入が低下するという事態も予想されるのです。

 もし、生活保護基準の引き下げると、最低賃金の引き上げ目標額は下がり、「ワーキングプア」と呼ばれる最低賃金の水準で稼働するアルバイト・パートタイム・派遣社員・契約社員など、現在、労働者全体の35%を超える数千万人の非正規労働者の生活にも大きく影響を及ぼすのです。

 生活保護基準は、地方税の非課税基準、国民健康保険の保険料・一部負担金の減免基準、介護保険の利用料・保険料の減額基準、障害者自立支援法による利用料の減額基準、生活福祉資金の貸付対象基準、就学援助の給付対象基準など、医療・福祉・教育・税制などの多様な施策にも連動しているのをご存知ですか。

 2010年4月9日付の厚生労働省の発表によれば、わが国の生活保護の「捕捉率」(制度の利用資格がある者のうち現に利用できている者が占める割合)が下の図のように15.3%~29.6%と推計されています。少なくとも700~800万人は生活保護レベル以下の生活を強いられています。生活保護基準の切り下げは、生活保護を受けずに堪えている数百万人をも直撃するのです。

 それはかえって生活保護受給申請者数を激増させるでしょう。

貧困率過去最悪の16%  6人に1人は所得112万円未満 一人親世帯は半分以上貧困 子ども貧困率も最悪

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 生活保護基準の引き下げを強行すれば、これらの施策を利用している低所得層の人の生活にも重大な影響を与えることになります。それは、消費税増税とあいまって、国民の消費意欲と能力を減退させ、日本経済はさらなる不況の泥沼に沈みます。

 生活保護制度を叩くことは、99%の国民にとっては、自らの首を絞めることなのです。

 社会保障費の中で最も壮大な無駄は、高所得・高資産の方々に支払われている高額の年金です。日本の財政赤字が深刻で、どこかに我慢していただかなければならないとしたら、生きるのに何一つ不自由のない1%の方々に支払われている年金のカットをお願いするべきなのです。

 つまり、あなたの一族のような方々に。岡田さん。

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