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がれき広域処理問題での三重県の不可解さ

東日本大震災で発生したがれきの広域処理について、三重県は不透明かつ不可解な対応ばかり見せている。

8日付の夕刊三重には、多気町長が、がれき受け入れの可否について町の最終方針を、今月12日に開かれる町議会全員協議会で表明するのを前に、7日、副知事が同町長と会談するため、多気町役場に姿を見せながら、町長には面会せずに「立ち去った」と報道されている。

記事は、副知事は、町役場で同紙記者に取材を求められるとそのまま立ち去ったという。

「午後4時すぎ、石垣副知事は1人で来庁。しかし本紙記者が目的などについて取材しようと声を掛けたところ、町長室に向かうのをその場で取りやめ、居合せた山下薫副町長とだけ短い会話を交わして役場を去った」

県庁によると、副知事は午後4時から多気町役場で「がれき処理をめぐる町長との意見交換」がスケジュールに入っていたと、記事は伝えている。

久保町長は、「県にいくら言われても、やるやらないを決めるのは多気町の判断。今までの経緯から、私の方向は決まっている」と、新聞記者に語ったという。

しかし、副知事は、なにを話そうとしたのか、なぜ、スケジュールに入っていた町長との面会を役場まで訪れながらドタキャンしたのかはよくわからない。
新聞記者に見られたら、中止をしなければならないものなのか。
記事の見出しには、「副知事秘密裏に来町」と書かれている。

まことに不可解な話だが、わたしも、がれきの広域処理をめぐる三重県の対応には嫌な思いをしている。

今年5月1日のことだ。
がれき問題の三重県の事務方トップは、松阪市が、焼却処理を受け入れたとしても、焼却灰の最終処分は県と国で責任を持つので松阪市には処理を求めないと述べた。

それは、三重県知事と、市長会、町村会で交わした覚書の方針通りだ。

ところが、松阪市には、最終処分場をもつ松阪市には、松阪市で焼却をしたら灰は松阪市で埋め立て処分をしてほしいと要請があったという。

別の機会に、その違いについて確認すると、「松阪市には処理を求めないとは述べていない」と、わたしへの説明を否定した。
最終処分場を持つ自治体が、自分のまちで焼却したごみの焼却灰は、自前の最終処分場に埋めるのが当たり前でしょ、という理屈だった。

それに、松阪市は、覚書に参加していないからだと、言ってのけた。

確かに、松阪市の山中光茂市長が、4月の市長会の議論の中で覚書問題について議論をしたいきさつはあっただろう。

しかし、わたしの聴き取りは、それとは無関係である。
説明の仕方として、きわめて乱暴かつ不誠実なものを感じた。

いま、三重県は、がれきの受け入れ問題で行き詰まっている。
平成25年度末までに、必要性についてさまざまな疑問が呈される中、年間2000トンを処理したいとしているが、いまだに、受け入れ自治体は決まっていない。
当然、多気町の動向は気になるところだろうが、多気町の処理能力は一日数トンであると聞いている。

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