- 2020年11月19日 08:33
コロナ禍で地域と学校の連携強化を 学校運営協議会導入で生徒の補導が激減

「日々勉強!結果に責任!」「国づくり、地域づくりは、人づくりから」を信条とする参議院議員赤池まさあき(自民党・比例代表全国区)です。
11月17日(火)、自民党本部において、私が部会長を務める文部科学部会が開催されました。議題は「コロナ禍で学校運営協議会(コミュニティ・スクール)の推進方策について」です。
学校運営協議会(コミュニティ・スクール)とは、平成16年に地域教育行政組織運営法を改正して第47条5で位置づけたもので、地域と学校と連携を強化するものです。平成29年には、さらに法改正して努力義務規定としました。文科省の直近の調査によると、全国の公立学校の27%が導入しています。山口県では100%導入済みですが、福井県では類似の仕組みはあるものの法令に基づく学校運営協議会の導入は0であり、地域間の差が大きくなっています。

同部会では、冒頭に、学校運営協議会(コミュニティ・スクール)を法令に明記した平成16年時の文部科学大臣であった河村建夫衆議院議員から挨拶を頂きました。選挙区である山口県では100%公立の小中高校に学校運営協議会が導入されており、その取組みの紹介を頂きました。
続いて、平成29年に学校運営協議会を法律に努力義務化した時の文部科学大臣であった馳浩政務調査会長代理からも挨拶を頂き、同協議会を支援するために、河村先生を会長として、国会議員有志で議員連盟を設立するとの話を頂きました。
そして、基調説明として、貝ノ瀨滋(かいのせしげる)東京都三鷹市教育長/全国コミュニティ・スクール運営協議会会長から話を頂きました。貝ノ瀬教育長は、12年前に三鷹市全市で小中一貫校と学校運営協議会(コミュニティ・スクール)を同時に導入しており、学力向上、子供たちの問題行動減少、地域の教育力向上の成果を出し、現在全国で普及活動も行っています。
●法令に基づいた学校運営協議会とする必要性とは

次に、事例発表として、扇弘行(おおぎひろゆき)福岡県春日市教育長から「学校運営協議会規則に守秘義務を規定して、生徒指導上の課題解決へ繋げている取組み」を具体的に紹介して頂きました。
春日市では、法令に基づいた学校運営協議会を設置しました。その必要性について、所要の権限が付与されることになり、市町村の規則で非常勤の特別職の公務員として規定することが可能となり、さらに、守秘義務も課すことができます。それによって、学校の教師だけでなく、保護者や地域住民から任命された学校運営協議会委員は、子供たちの具体的な事例等の学校の悩みを率直に議論することができるようになったとのことです。そして、教育・子育てに学校・家庭・地域が対等の立場で熟議を行い、具体的な方策をともに取り組むことができて、結果的にまちづくりにも繋がる教育施策となったと言います。

学校と家庭・地域の関係について、学校を支援する各種活動はどこでも実施されていると思います。春日市では、三者による協働活動によって熟議によって方針を決定し、学校への支援活動とともに地域への貢献活動を3本柱として実施しています。

その成果として、大都市福岡市の近郊市として、補導件数が急増する中、守秘義務を課して子供たちの状況を具体的に三者が熟議することによって、家庭や地域と学校の連携が深まり、支援活動の一つとして巡回パトロールを開始したところ、補導件数激減に繋がったとのことでした。

また、生徒による地域ボランティアを実施して、学校による地域への貢献活動を行うようになりました。

その結果、子供たちの自己肯定・有用感の向上になり、学力の向上にも繋がるようになったとのことでした。
福岡県春日市の取組みは、学校運営協議会の理想的なあり方ではないかと思いました。
●知事会、市長会、町村会との意見交換

続いて、学校運営協議会を普及するための課題について、知事会、市長会、町村会と遠隔会議を行いました。以下の3名に意見表明をして頂きました。
全国知事会は、河野俊嗣宮崎県知事
市長会は、川俣純子栃木県那須烏山市長
町村会は、稲本隆寿愛媛県内子町長
学校運営協議会の周知、導入への学校や地域の負担感、既に地域と学校が連携している等の課題が出されました。
再び貝ノ瀬三鷹市教育長や扇春日市教育長からも意見を頂き、さらに文部科学省からも今までの取組みについて、説明を聴取しました。
今後は、コロナ禍でもあり、同制度の普及を妨げている課題を洗い出し、文部科学省の取組みを支援して、全国に学校運営協議会の導入を推進していきたいと思います。