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エイベックス、JT、三陽商会…海外ファンドが狙う「虎の子不動産」コロナ禍で売却ラッシュ

三陽商会の自社ブランド旗艦店ビル「ギンザ・タイムレス・エイト」。バーバリー銀座店が前身(写真・東洋経済/アフロ)

 11月10日、音楽・映像事業やタレントマネジメント事業を手がけるエイベックスが、東京・南青山の本社ビルの売却を検討していることが報じられた。売却が成立すると、2017年に竣工したエイベックスビルは、わずか3年で “親元” を離れることになる。

「エイベックスビルの売却は、松浦勝人会長にとっても苦渋の決断です。しかし、新型コロナの影響でライブが開けず、7〜9月期決算では33億円の純損失を計上しています。手元資産を現金化することで、財務体質を強化できる。コロナ禍をしのぐために、今後、企業の不動産売却は加速するはずです」(経済紙記者)

 エイベックスのほかにも、アパレル大手の三陽商会は銀座の持ちビル「ギンザ・タイムレス・エイト」を7月に約120億円で売却し、JTも10月に本社ビルを約800億円で売却している(いずれも価格は推定)。

「企業の不動産売却には、“攻め” と “守り” の2種類があります」と解説するのは、アレス投資顧問株式会社代表取締役社長CEOの阿部隆氏だ。

「たとえばJTは、現金資産が3000億円近くあり、800億円の現金が、即座に必要なわけではありません。むしろ本社ビルという資産を現金に変え、本業に投資することで、より利益を出せるようにするという “攻め” の姿勢なんです。

 企業の不動産売却は、赤字だからなんとしても現金が必要な場合と、利益体質の強化を狙う場合に、二極化が進んでいくでしょう」

 不動産を売るといっても、買い手がいなくては成立しない。そこで登場するのが海外のいわゆる “ハゲタカ” だ。

「米国中央銀行のFRBは、2023年末までゼロ金利政策を続ける方針です。海外ファンドは、ジャブジャブに余った資金を待機させておけません。そこで彼らは、新型コロナの感染者が欧米よりも少なく、新興国よりリスクが低い日本の不動産を狙っているのです」(阿部氏)

 海外ファンドに狙われる企業の名前も出てきている。

「横浜の日産自動車グローバル本社ビルには、売却の噂が絶えません。2020年度は6150億円の赤字を予定していますからね。さらに、ワコール麹町ビルの名前も出ています。多様性のある使い方が可能な好物件です」(不動産ブローカー)

 かつては、ニューヨークの摩天楼を買い漁った日本企業。“落日” の経済大国の、見たくなかった現実がここにある。

(週刊FLASH 2020年12月1日号)

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