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平成24年11月8日

続く綱渡り

アメリカの大統領選はオバマ氏の再選となりました。

併せて実施された下院選挙では野党共和党が過半数を占め、引き続き上院とのねじれが続くことになります。ニューヨーク市場では一時株価が急落しました。

経済政策でアピールをしていたロムニー候補を擁する共和党との協議が今後どう進むかは不透明です。今後世界経済が好転することはなかなか考えづらいのではないでしょうか。それとともに、対中政策やTPP協議などで日本への圧力が高まることも充分あり得ます。

アメリカ与党と同じ「民主党」という名のわが国の与党が、あやかれると喜ぶ環境には全くない、いやむしろ、指導力を失って完全にレームダック(死に体)となっている野田政権には厳しい状況が続くことは間違いありません。

神妙なのは顔だけの与党に騙されるな

民主党が全国紙に「マニフェストが実施できなかったことのお詫び」の広告を打ち出しました。これを受けて、全国で出直しの対話集会を実施するとのことです。

一見真摯な反省のようですが、実はとんでもない謀略が隠れています。

まず内容です。例えば税と社会保障の一体改革について「政権を取れば何とかなるとの甘い見通しがあった」と書かれているようですが、実際政権を取っていなくても国会で充分問題を議論していたのですから「知らなかった」では通りません。しかも前原国家戦略担当大臣がかつて与謝野議員との対談で「財源確保は絶対無理だ」と発言していたり、藤井元財務大臣が「できなければゴメンナサイと言えばいい」と発言しているとおり、幹部クラスはこのマニフェストが「詐欺フェスト」であることを完全に認識していたのです。

しかも、対話集会のスケジュールは、野党が求めている年内解散を想定したものとは到底思えません。


結局、お詫びに名を借りた「嘘の上塗り」と「選挙対策」、そして「解散の先延ばし」でしかないのです。

民主党の不誠実さは、特例公債法案を早く通さなくてはいけないとか、解散の前に議員定数の削減をしなくてはいけないなどと言っていることからも明らかです。

そもそも特例公債法は、予算の財源担保のための法律として予算と同時に処理されるのが当たり前です。今年の通常国会では自民党が予算について組み替え・縮減の対案を主張していたのに、与党は特例公債法案を単独で審議。成立の見込みが全くないままねじれた参議院に送付して廃案としました。そしてその後も臨時国会の召集を遅れに遅らせて10月29日としたのは与党です。11月分の地方交付税の支出を円滑に行うためにはそもそも国会を早期に開会すべきだったのであり、今回地方自治体の財政運営に影響が出ているのはひとえに民主党の無責任によるものです。

自民党の安倍総裁は、年内解散の確約が取れていない段階でも特例公債法案を人質に取るとか審議拒否をするとかはしないと明言をし、現に今日これから本会議でようやく審議が始まります。

議員定数の是正についても、繰り返し述べるとおり自民党は既に違憲状態となっている一票の格差是正のための「0増5減案」を提出していますし、比例定数の削減も他党に先駆けて具体案を提示しています。しかし民主党はこれに併せて、比例部分に憲法違反の疑いが強い「連用制」を持ち出して与野党協議を難航させ、そのうえで比例定数の削減をあたかも自分たちしか提案していないかのような宣伝をしています。
違憲状態の解消を自ら遅らせながら「遅れているのは野党の責任」という構図を作り、しかも遅れていることを口実に解散を先延ばしする民主党の姿勢はあまりにも欺瞞に満ちているとしか言いようがないのです。

そのうえ、民主党は、新しく組閣しかつ会期も変わった場合には必ず開催されている予算委員会について、開催に同意はしたものの全く日程をセットしようとせず、党首討論でお茶を濁そうとしています。

解散について前向きの発言を繰り返す前原大臣、来春開校予定の3大学に認可を与えないと言明をしながら現場の混乱を受けてそれを撤回した田中真紀子文部科学大臣など、個々の閣僚が、国民が注目するテレビ中継入りの予算委員会できちんと説明をしてもらわなければいけません。しかもこの欄で取り上げた復興予算の流用などがその後どうなったのかも予算委員会でこそ説明してもらいたいです。

こうした様々な不誠実さを乗り越え、真のあるべき文部科学行政や予算などにつき、私たちが責任を持って対応していきます。

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