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芸能人よりリスク大きい一般人の「ひき逃げ」 弁護士が指摘する事故後に避けるべき行動

10月末、俳優の伊藤健太郎が東京都渋谷区で車を運転中に事故を起こし、衝突したバイクに乗っていた相手2名に重軽傷を負わせて自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道路交通法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕された(現在は釈放)。

BLOGOS編集部

事故を巡っては伊藤が救護義務を怠り現場を離れたことなどが伝えられているが、こうした対応について、事情に詳しい弁護士が投稿したツイートが注目を集めている。

投稿を行ったのは、横浜ユーリス法律事務所のパートナーとして刑事事件を多く手掛け、交通事故の分野にも詳しい弁護士の高木小太郎氏。

違法性が明白で相応の刑事罰が想像できる特殊詐欺への関わりや、海外からの危険な荷物の運搬と合わせて、「交通事故を起こして逃げること」によって起きる事態の難しさを指摘したツイートは反響を呼ぶことになり、これまでに1万件以上のリツイート、1万4000件以上の「いいね」を記録している。

事故後の行動で「ひき逃げ」と判断された事件を多数担当した経験のある高木氏は次のように説明する。

事故を起こしてしまった人は、大したことないだろうと軽く考えて現場を離れているわけではなく、事故を起こしてしまい怖くなり、現場から離れてしまうケースが多いように感じます。ただ、事故現場から離れてしまうと、逃げる意思があったとみなされ、「ひき逃げ」として道路交通法117条2項・72条が適用される危険が高いです。なお安全のために離れた場所に車を停めるケースのように、合理的と考えられる範囲で離れて車を停める場合には逃げたとは評価されないでしょう。

ひき逃げは、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)に加えて、道路交通法違反(ひき逃げ)となり、二つの犯罪を犯すことになるので当然刑も重くなり、さらに、逃亡をする危険性が高いとみなされるため勾留のリスクも高くなるという。

また、被害の大きさによって一概にはいえないというものの、死亡事故や重篤な後遺症が残るケースでは、前科がなくとも実刑になることもあり得るとのこと。他方で、ひき逃げでない場合には、勾留されずに済むことも十分期待でき、初犯であれば執行猶予や被害の程度によっては不起訴になることも期待できると高木氏は解説する。

写真AC

著名人や芸能人の交通事故はメディアに大きく取り上げられている印象があるが、一般人がひき逃げを起こしてしまった場合でも、同じように大ごとになるのだろうか。そう質問すると、高木氏は「身元がはっきりしている著名人よりも、一般人の方が逃亡が容易であり、勾留の要件を満たしやすい。つまり、よりひき逃げのリスクは大きいでしょう」と指摘する。

その上で、私たちがもしも交通事故を起こしてしまった時に取るべき行動として、次のように話す。

もしも事故を起こしてしまったら、慌てずに車を安全なところに停め、ケガをした人がいる場合は救護に当たることが重要です。頭でわかっていても、いざ事故を起こしてしまうとパニックになって現場から離れてしまう人もいますが、まずは冷静に行動すべきでしょう。

また、もし現場から離れてしまったのであれば、後からでも必ず出頭すべきです。この行動があるかないかによって、後の展開に大きく影響します。また出頭の際には弁護士に相談することを勧めますので、そのことも覚えておいてほしいです。

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