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ASEMで野田首相を無視した中国の「礼節」

汶金譲という方の書かれたブログ「“野田遭无视”显中国之愤怒」がいろいろなところに転載されて話題になっているようなので、今日はこれについて少し。

 これは、『読売新聞』の「温首相、野田氏を『無視』…『日本外し』顕著に」をうけて書かれたものの様なので、最初に『読売新聞』の記事の紹介をさせていただきます。


1 『読売新聞』の記事

 アジア欧州会議(ASEM)首脳会議に出席している中国の温家宝ウェンジアバオ首相は5日、議長国ラオスの他、フランスやイタリア、ブルガリアなど欧州の首脳と意欲的に会談を重ねた。

 温首相は首脳会議の開会式終了後、野田首相の前を通り過ぎたが、あいさつするそぶりはまったく見せないなど、「日本外し」の構えが顕著だった。

 中国外務省によると、温首相はラオスのチュンマリ国家主席との会談で、「お互いの核心的利益に関わる問題で、今後も互いに支持し続ける」ことを呼びかけた。尖閣諸島を巡る日本との対立を念頭に、領有権を主張する中国の立場への理解を求めたと見られる。

 温首相はラオスのトンシン首相とも会談し、農業や社会資本整備などでの協力強化も約束するなど、経済面からの取り込みも図った。



2 ブログ記事の紹介

 最初にいつものとおり、(ブログ)記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。

 温家宝総理はラオスで開催されているASEMに出席したが、『読売新聞』によると、中日の指導者は通りすぎたが、双方は挨拶をしなかったとしている。そしてここから、中国側の「日本排除」の意図は明らかだとしている。

 このニュースは様々なメディアに転載され話題のニュースになっているし、ミニブログの上でも「引っ張りだこ」の状態だ。特に中日の指導者が互いに無視し合いながら通り過ぎる写真は、多くの人の関心を引いた。

 これに対して、中国のネットユーザーはどんな反応示しているか?拍手をしながら良くやったと言っており、気骨を示したとしている。

 数千年の文明を誇る中華民族は礼節の国で、温首相は今回どうして礼を示さなかったのか。いろいろな意味があるが、最近の中国の軍事上的な強硬と関連し、世界中が中国の怒りを感じることができたのではないか。

 日本政府はそれでもまだ、反省することができず、依然として釣魚島の問題で誤った立場を堅持してくのなら、中国人民は遺憾の意を表わすしかない。

 中国人がまた我慢強いが、限度がある。絶えず「難癖をつけて騒動を起こす」隣国を、1,2度は許すことができるかもしれないが、何度も続けばそうはいかない。弱気を見せれば、図に乗ってくる、国家間とはそういうものだ。

 日本人は悔い改めることができないのかもしれない。第二次世界戦争の罪過を世界・アジアに対し検討していない。2日の国連人権理事会で日本の人権問題について勧告が出され、慰安婦問題を真摯に処理するように求められているが、日本は真剣に対応するか。

 釣魚島のどたばたでは、中国の全人民の抵抗により、何も得るところがない状態だ。現在日貨排斥ににより、日本経済が苦しい立場に立たされているのがその例だ。

 友人が出会ったら、礼を欠いてはいけない、これが中国人の人に接する際の原則だ。では今回何故、温首相は野田を「無視」したのか。これは中国人民の釣魚島の問題に対する明確な態度だ。

 日本が譲らなければ、中国も譲ることはない。特に国土は簡単に譲れるものではない。中国の歌に、友達が来くれば酒でもてなすが、狼が来れば、猟銃で迎えるというのがある。

 釣魚島の事態がここまで悪化した責任は日本にある。中国の平和外交の原則は全世界から尊ばれているが、日本の政治家はこれを弱腰とみて、中国人の良好な願望を誤解した。

 日本が中国の釣魚島を狙う本質は「右傾化」、軍国主義の復活であり、第二次世界大戦後の国際秩序に対する挑戦である。今回のASEMは関係改善の機会だったが、中国の指導者は野田を「無視」した。

 これは、日本が先に無礼をはたらいたからであり、このような隣国に「挨拶をする」必要はなく、中国の気骨に拍手を送る。



3 個人的感想

 つっこみどころは沢山ありますが、まず何と言っても自分たちを礼節を重んじると思っていることが日本人からすると「意外」と思われる方も多いのではないでしょうか。

 ただ、これは中国人と接していると本当によくわかりますが、「内」と「外」の態度の落差に原因があります。つまり、ブログの中にもあるように、「友達」は重んじ、酒で歓待するように、「身内」や友人は本当に大事にします。

 その反面、「外」の他人には徹底して厳しく、極端な話、何をしても良いと思っている人も多いのが実情です。そのため、外国等に来たとき、傍若無人な態度をとるのも周りに知り合いがいないからであり、そうした態度を見る外国人からしてみれば、どこに「礼節」があるのだとなるわけです。

 中国の「人権」については、何度か言及しているので、ここで、これ以上どうこう言うつもりはありませんが(エジプトの選挙結果を受け、西側に嫌みを言う中国国際政治のオウンゴールとは)日本以上に国連の場で追求されているが、中国の「人権」です。

 そのため、まず自分たちがそうした国際的批判に答えてから日本を批判してはどうかと思います(韓国の人権もあまり褒められたものではありませんが、とりあえずここではスルー)。

 最後に持ってきた日本の「右傾化」「軍国主義」もこれまで何度か触れておりますが(不景気に苦しみ政治に失望している日本はファシズムが台頭している?尖閣購入に関する中国のプロパガンダ記事)、半分公式化してしまっており、中国では日本を批判するとき、これ以外の批判方法は無いのかと言いたくなる状態です。

 ある意味、中国のプロパガンダをそのまま体現したような記事であり、自分で物事を考えようとしない、一つの視点だけにとらわれた方の典型的なものの見方で、これはこれで興味深いと思ったが故の今日のエントリーでした。

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