- 2020年11月17日 15:44
日米同盟=核の傘の下での核兵器禁止条約参加は可能か
1/2核兵器禁止条約が発効の見通しとなった。日本の世論調査でも、日本政府に批准を求める声は大きい。
14、15の両日に、朝日新聞社が実施した全国世論調査(電話)で核兵器禁止条約について尋ねると、日本が条約に「参加する方がよい」は59%で、「参加しない方がよい」の25%を大幅に上回った。(朝日11月16日付)
そもそも日本の自治体の99.5%が加盟する平和首長会議は、すべての国の批准を要求している。
自民・公明政権があくまで批准を拒んでいる現在、政権が替われば批准する政府ができるのではないかという期待は大きい。ぼくのまわりの野党連合政権支持者は、当然に批准する政府ができるものと考えている。だが、そう単純でもない。
自公政権が批准を拒否しているのは、アメリカの核抑止力に依存する安全保障政策をとっているからである。「核兵器の力で守られている」という政策を持つ国が、核兵器禁止条約を結べるのだろうか。
立憲民主党と核兵器禁止条約
松竹伸幸『安倍政権は「倒れた」が「倒した」のではない』はこの問題に触れている。
- 作者:松竹 伸幸
- 発売日: 2020/10/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
8月5日に枝野代表が広島で開かれたイベントで「条約に参加するための具体的ロードマップを描く」と語ったことなどを紹介して、松竹は次のように言う。
枝野氏が、「米国との同盟関係を維持しながら核兵器禁止条約に参加する」とか、その両者を「矛盾せずに解決する道」に言及しているのは、現在の立憲民主党の本質的な矛盾を象徴している。それは鳩山時代から変わらない。…立憲民主党が、一方でアメリカの抑止力に頼ることを防衛政策の基本として維持しようとしていることと、他方で核抑止力の否定の上に作成された核兵器禁止条約に参加することとは、本質的に対立しているのである。だから、枝野氏のようなものの言い方になってしまう。(松竹p.105)
立憲民主党は集団的自衛権行使を否認している。
集団的自衛権はダメってことにして、あとは変わらない政権ができたらどうなるか。結果的に2015年以前の自民党政権の安全保障政策と同じになる。つまり、核兵器禁止条約は参加せずに核抑止力に頼った日米同盟が維持され、(本当の意味での)専守防衛となるわけである。
松竹はこれ「だけでも意味のあること」(p.106)だと述べる。
これはぼくもそう思う。そもそも、集団的自衛権の行使容認という現憲法下で絶対にありえない状態を放置しないことが解消されるだけでも大いに「意味のあること」だ。アメリカの戦争に巻き込まれるリスクも大いに低減する。それこそが「今そこにある危機」なのである。
しかし、と松竹は続ける。彼は「どうせなら抑止力問題を徹底的に深め、専守防衛政策に新たな魂を吹き込んではどうだろうか」(同前)として、「抑止力」概念を批判的に検討して新しい防衛政策に転換することを提案している。つまり核兵器禁止条約に参加する専守防衛政策、「核抑止抜きの専守防衛」(p.108)を訴える。それがどんなものかは松竹の同書を読んでみてほしい。
共産党の「安保条約下での禁止条約参加」論
同じ問題は共産党にも突きつけられている。
共産党はすでに野党連合政権をつくるさいに、日米安保条約は廃棄せず、安保条約通りに発動させることを明言している。つまり日米同盟そのものは「維持」するとしているのである。
そうなれば当然米軍の「抑止力」、すなわち核抑止力は維持されるのか、という問題が生じてくる。
この問題について、共産党の理論誌「前衛」2020年12月号で川田忠明(共産党平和運動局長)が「発効する核兵器禁止条約をどう力にするか」という論文で「日米安保条約下での(核兵器禁止)条約参加」という問題に言及している。
- 発売日: 2020/11/07
- メディア: 雑誌

安倍政権は「倒れた」が「倒した」のではない


