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SBI北尾氏が仕掛ける「地銀再編」で取り沙汰される4地銀の名前

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菅義偉首相は9月の総裁選で「将来的には数が多すぎるのではないか」と地銀再編に踏み込んだ発言をしていた。そんな中、菅首相のブレーンとして知られるSBIホールディングスの北尾吉孝社長の動きが、市場で注目を集めている。北尾氏が仕掛ける「地銀再編」のターゲットとは——。

2020年6月8日、2020年6月8日、地方創生を後押しする新会社「地方創生パートナーズ」設立について記者会見するSBIホールディングスの北尾吉孝社長。スクリーン右はオンラインで出席する新生銀行の工藤英之社長、同左は山口フィナンシャルグループ(FG)の吉村猛社長。
2020年6月8日、地方創生を後押しする新会社「地方創生パートナーズ」設立について記者会見するSBIホールディングスの北尾吉孝社長。スクリーン右はオンラインで出席する新生銀行の工藤英之社長、同左は山口フィナンシャルグループ(FG)の吉村猛社長。 - 写真=時事通信フォト

当座預金に年0.1%の上乗せ金利を付けるというが…

地域経済を安定化させながら地銀再編を進める——。そんな菅政権の地銀再編策の輪郭が明らかになってきた。

日本銀行は11月10日、政策委員会の通常会合で「地域金融強化のための特別当座預金制度」を導入することを決めた。地銀と信用金庫を対象に日銀に預ける当座預金に年0.1%の上乗せ金利を付けるというものだ。

適用期間は今年度から2022年度までの3年間。ただし、上乗せ金利を受け取るには、以下の2つが要件になる。

①一定の経営基盤の強化を実現すること(収益力強化や経費削減により損益分岐点を一定以上へ引き下げる)
②経営統合等により経営基盤の強化を図ること

日銀の決定に対して、加藤勝信官房長官は11日午前の記者会見で、「政府として地域銀行については人口減少による経営基盤が厳しい中で自ら経営改革を進める地域に貢献することを期待しており、日銀も政府と認識を共有した上で、こうした制度を導入したと理解している」と述べた。

菅義偉首相は「再編も一つの選択肢になる」と踏み込んだ発言

菅義偉首相は9月の総裁選の過程で、「地方の銀行について、将来的には数が多すぎるのではないか」と語り、「再編も一つの選択肢になる」と踏み込んだ発言をしている。今回の日銀の決定は、この菅首相の意向を踏まえた措置と言っていい。

その手法はまさに0.1%の金利上乗せという「アメ」と、経営統合という「ムチ」の使い分けであり、「菅首相が強調する“自助”を地銀に求めることを象徴する施策」(メガバンク幹部)と受け止められている。

ポイントはこの措置が期間3年の時限措置であることにある。「3年以内で地銀・信金は答えを出せといっているようなものだ」(同)。

背景には地銀が置かれた厳しい収益環境がある。

上場する地銀78行・グループの2020年4~6月決算は、連結最終損益が全体の6割に当たる48行で前年同期に比べて減益または赤字になっている。超低金利が継続し、預貸業務で収益を出しにくい環境が続いているためで、さらに新型コロナウイルス感染拡大に伴い、与信費用もじわじわと上昇に転じつつある。

静岡銀行と山梨中央銀行は県をまたぐ広域連合へ

菅首相の発言を見据えたように地銀の再編はジワリと動き出している。静岡銀行と山梨中央銀行は10月28日、業務提携することで合意した。両行は相互に出資する資本提携も結ぶ予定で、県をまたぐ広域連合が誕生することになる。

両行は2019年に地方創生を目的に連携協定を結んでいたが、将来的なシステムの共同化なども視野に入れた包括提携に踏み込む。圧倒的なシェアを誇る静岡、山梨両県の営業基盤をベースに、手を携えて収益性の高い東京都などの巨大経済圏に打って出るのが狙いだ。

夕暮れの富士と甲府の街
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Sean Pavone

同様に地銀トップの横浜銀行と千葉銀行も2019年に業務提携しており、メガバンクを含め首都圏での競争は激化している。

「SBI地銀」は福島、島根、筑邦、清水、大東の5行に資本出資

こうした大手地銀の再編が動き出す一方、経営不振銀行の駆け込み寺となっているのが、SBIホールディングス(北尾吉孝社長)が進める「地銀連合」だ。

SBIは子会社の「SBI地銀ホールディングス」を通じて、これまでに福島、島根、筑邦、清水、大東の5行に資本出資した。さらに10月23日には、群馬県を地盤とする東和銀行に出資、東和銀行もSBIホールディングスに出資すると発表した。

自民党もSBIの「地銀連合」に期待を寄せている。自民党の「地域金融機関の経営強化策を検討する小委員会」(片山さつき委員長)は10月29日に初会合を開き、地銀の収益力強化について議論を開始したが、初会合にはSBIホールディングスの北尾吉孝社長が招かれて講演した。菅首相のブレーンの一人で地銀再編のキーパーソンとみられる北尾氏が招聘されたのは意味深長だ。

北尾氏は地銀連合には10行程度の地銀の参加が見込まれるとしており、残る地銀はどこなのかと市場関係者は固唾を飲んで見守っている。なぜならSBIが出資した地銀の株価が軒並み上昇しているためだ。

北尾氏の「ターゲット」として取り沙汰される4地銀

北尾氏が狙う次の地銀はどこか。市場では次の4地銀の名前が取り沙汰されている。

栃木(栃木県)、筑波(茨木県)、福邦(福井県)、長野(長野県)の4行である。いずれも同一県内に強力なライバル地銀があり、収益圧迫要因となっている。

宇都宮の繁華街をドローンで空撮
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Vonkara1

栃木銀行には足利銀行、筑波銀行には常陽銀行、福邦銀行には福井銀行、長野銀行には八十二銀行という県を代表する有力地銀がある。しかも、足利銀行と常陽銀行は手を組み、北関東で強者連合「めぶきフィナンシャルグループ」を形成している。

「県の指定金融機関を務めるこれら有力地銀は、自治体との強固な関係をベースに県内の有力企業取引を独占、メインバンクとなっている。同一県内の競合他行は中堅・中小企業、個人に活路を見いだすしかない」(地銀幹部)という苦しい状況に置かれている。

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