記事

伊藤健太郎を擁護する芸能界の馴れ合い プロ意識低下の一因に

BLOGOS編集部

自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の容疑で逮捕された俳優・伊藤健太郎。その後、釈放されたとは言うものの、いまだに起訴になるのか、それとも不起訴になるのかは決まっていない。

芸能関係者によれば、
「たとえ被害者との間で示談が成立したとしても、起こした事故は悪質なものでした。もっとも、伊藤健太郎は人気芸能人で、(報道などで)社会的制裁は負ったとの理由から不起訴になるケースもあります。

ですが、たとえ不起訴になったとしても尾は引きますよ。女優の黒木瞳が監督した伊藤健太郎の主演映画『十二単衣を着た悪魔』などは予定通り公開になりましたが、実際には逮捕されたことでCMや番組の差し替えなどが多数あり、想像以上の損害が出ていますし、今後予定していた舞台公演などの損害を含めたら大変な額になるはずです。

スポンサーにもマイナスイメージがついたでしょうし、今後、広告代理店やテレビ局から違約金や損害賠償金の請求がどっと行くと思います。総額5億円との報道もありましたが、少なく見積もっても億単位になることは間違いないでしょう」

違約金や損害賠償金などを考えたら、伊藤健太郎を待ち受けるのは〝生き地獄〟であることは言うまでもない。だが、同様の事件が起こるたびに理解できないのが芸能人の意識である。

犯罪者にエールを送る芸能界の馴れ合い

Getty Images

近年を振り返っただけでも、元モーニング娘。吉澤ひとみの酒気帯び運転及びひき逃げ事件や元TOKIOの山口達也、ついでに大麻取締法違反で逮捕された俳優の伊勢谷友介など、プロとしての自覚や行動もそうだが、それ以上に想像力と言う点においても欠如しているとしか言いようがない。

さらにこの「欠如」は、当事者のみならず芸能界全体にまで及んでいる。

芸能人がこのような事件や事故を起こしたら、社会的立場から相当の批判、制裁を受けても仕方がないのだが、ここ最近はなぜか仲間内から「叱咤激励」が挙がるようになってしまっているのだ。

今回の伊藤健太郎の事故でも、主演映画「十二単衣を着た悪魔」の監督を務めた黒木瞳は、

「(伊藤健太郎が)今、一人で留置場にいると思ったら、すごく可哀想。涙が出そうになった」

などと、自身の思いを平然と吐露してしまうほどだ。週刊誌の芸能記者は言う。

「黒木は伊藤健太郎を我が子のように可愛がっていました。ある意味で親心のような思いもあったのだと思います。それに映画の公開前で伊藤健太郎にしても負い目があったでしょう、黒木の元に弁護士を通して謝罪の手紙が届けられたそうです。

釈放後には電話でも話をしたようで、黒木にとっては応援の気持ちもあっての言葉だったと思いますが、そもそも、この事故はひき逃げで被害者がいるわけですからね。正直言って黒木の発言は無神経でした。ベテラン女優でもあり、今回は映画監督までしているのですから、自身の発言に対しては常に想像力を働かせるべきです」

これは、もはや馴れ合いというしかない。それに〝ひき逃げ犯〟に世間は甘くないことを理解すべきだろう。

しかし、それは黒木瞳に限らなかった。女優の吉永小百合は、新作映画「いのちの停車場」の制作発表記者会見の席で共演した伊勢谷友介に、

「何とか乗り越えて、また撮影の現場に戻ってきて欲しい」

などとエールを送った。

この発言に対しても「国民的女優が、もっとタイミングを考えて発言すべき」などの批判が殺到したが、当然だろう。

「伊勢谷については、俳優の窪塚洋介がインスタグラムのライブ配信(9月9日)で『伊勢谷君、可哀想、マジで!』『伊勢谷君より悪い奴がめちゃくちゃいるから。伊勢谷君だけ責めるのはやめて』などと擁護してみたり、フジテレビの『とくダネ!』ではコメンテーターで社会学者の古市憲寿氏が『少なくとも医療用大麻については合法化されている国が多い中で、日本だけが極悪人のように扱うのはどうか』『そろそろ時代に合わなくなってきているのでは』などと発言して批判されました。

もっとも大麻の場合は使用ではなく所持していることが犯罪なのです。海外と比較するのもどうかと思うし、そもそも日本は法治国家ですからね。あるいは彼を擁護しなければならない特別な理由でもあるのでしょうか?」(プロダクション関係者)

他にもある。

BLOGOS編集部

元TOKIOの山口に対しては、日本テレビ「スッキリ」で水卜麻美アナが、「依存症なのかどうかは分かりませんが、自力で向き合うのが難しいとしたら、どんな助けがあれば山口さんが戻れるのか。元気になれるかなって、今すごく考えている状況です」(9月23日放送)

など、優しい言葉を送ったかと思えば、フジテレビ「直撃LIVE グッディ!」では、ゲストコメンテーターとして出演した落語家でタレントのヨネスケが「寂しかったんだね」と擁護する始末。しかも、テレビ各局は山口を「元メンバー」などと敬称をつける気の使いぶりだった。

「吉澤ひとみの酒気帯び運転を坂上忍が擁護するのは仕方がない部分があったにせよ、元モー娘。メンバーだった加護亜依がブログで意味深に擁護するなど、状況をわきまえない発言が目立ち過ぎます。

やはり、その根底には芸能界独特の同業意識や仲間意識があるのかもしれませんが、馴れ合いでの不用意な発言には細心の注意が必要です。特に交通事故の場合は被害者もいるわけですし、このネット社会では思わぬ方向に事態が向かってしまう可能性もあります。本来は仲間であるからこそ、厳しい言葉をかけるべきで、擁護してしまったら逆に火に油を注ぐことになりかねません」

売れればOK? 芸能人にも人間教育を

前出のプロダクション関係者は、芸能界の軽薄な仲間意識が芸能人としての自覚を乏しくしていると危惧するが、その一方で長老の芸能記者は、

「所属事務所の管理にも大きな問題があります。伊藤健太郎の場合、前事務所をギャラの問題もあって辞め、2ヶ月前に現在の事務所に戻る形で移籍してきたのですが、『人気がある売れっ子俳優』と言うだけで、芸能人としての人間教育は二の次になってしまっていたのが現実です。

現場のマネジャーがタレントに何も言えないことも確かでしょうが、契約を結ぶ段階から事務所の責務として、プロとしての自覚を持たせること、人間教育を徹底することを条件に含めるべきなのです。でなければ、もはや芸能界は拝金主義者の集まる場でしかなくなってしまいます」

昨年、公正取引委員会が、芸能事務所はタレントの独立を阻害しないように注意喚起したことで、俳優やタレントの独立が増えている。その一方、今回の伊藤健太郎が起こしたような事故は、タレントにとっても「明日は我が身」である。

そのような万が一の場合、果たして多額の損害や賠償金を、個人が支払えるのか? どこが負担するのかも含めて考えていかなければならないことも事実だ。

それにしても…。NHKの番組に「プロフェッショナル 仕事の流儀」と言う番組がある。その番組の最後に「プロフェッショナルとは」と問う部分があるが、彼らや彼女たちだったら、その問いに一体、何と答えるのだろうか?

あわせて読みたい

「伊藤健太郎」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    GoTo見直し 協力体制みえず幻滅

    中村ゆきつぐ

  2. 2

    医療崩壊を煽る報道に医師が怒り

    名月論

  3. 3

    松本人志のGoTo巡る案に賛同続々

    女性自身

  4. 4

    宮迫&中田&手越共演で「TV崩壊」

    かさこ

  5. 5

    みんなで隠蔽した近藤真彦の不倫

    渡邉裕二

  6. 6

    欧州の学者 日本と差は「民度」

    WEDGE Infinity

  7. 7

    対案出さない野党「追及で十分」

    PRESIDENT Online

  8. 8

    検査少ない東京 実際の感染者は

    ktdisk

  9. 9

    ジリ貧の書店 サービス不足原因?

    吉田喜貴

  10. 10

    元沖縄県知事 1億円超の借金訴訟

    文春オンライン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。