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【読書感想】ロスジェネ心理学

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そして、最後の第7章。

次の世代への責任について。

「自分が死ねば、世界は終わる」のか、「自分が死んでも、世界は続いていく」のか?

後者のように考えるからこそ、人間は、ときには自分の命を犠牲にすることだってできる。

でも、後者は、時代背景によっては、「自己犠牲の強要」にも結びついてしまう。

ただ、いまの時代は、あまりにも前者が強くなり過ぎているのかもしれません。

「ロスジェネ世代」は、もう、「次世代を育てなければならない時期」にさしかかってきているのは事実なのです。

 歳を取れば、価値観も能力も劇的には変化しなくなっていくものです。しかし人生はまだまだ続きますし、実際には、自分自身の行いを積み重ねることで少しずつ変わっていくことは今後も可能です。若年者のように短期間で自分自身を塗り替えるのは無理でも、そこはそれ、年の功というか、長期的なスパンで物事をまなざすように心がけ、時間をかけて積み上げていけば、思春期の移ろいやすい心には達成困難だったことも達成できるのです。

 もう、あなたはヒーローにもアイドルにもなれないし、今更「モテ」でもしようもありません。それでも続いていく人生を少しでも実りと思い出の残るものにしていくためにも、年甲斐のあるスタイルを身につけていきましょうよ、と言いたいのです。

 これは「本当はなんにでもなれる自分」といった、全能な自分自身という幻想にしがみつかなくても良い、ということでもあります。


同世代として頷くところもある一方で、「ロスジェネをこじらせている人間」としては、「わかっているんだけど……考え方って急には変えられないし、年賀状を書いたり、挨拶するだけでいいのか?」と思うところもあったんですよ。

それでもモテてみたいな……とか、ちょっと憧れてみたりもするし。

でも、「ロスジェネ世代」の一員として試行錯誤してきた著者が、そういう「当たり前すぎる結論」を提示していることは、やはり大事なことなんですよね。

そういうところも含めて、非常に興味深い一冊でした。


「専門書」と「個人的な思い込みだけで書かれた、わかりやすいだけの世代論」の、ちょうど真ん中を埋めてくれる本だと思います。

率直なところ、この本を読めば読むほど、「ロスジェネ世代の行く道は、果てしなく遠いな……」なんて、気が滅入ってしまうところもあるんですけどね。



以下は余談です。

本当に、p_shirokumaさんの「真摯さ」が伝わってくる好著です。

僕が予想していたよりもけっこう「真面目」で「学術的」な内容だったのは、ちょっと意外でした。

ブログの再録+書き下ろし、みたいな感じだと思っていたのですが、「ブログの読者に甘えない」内容です。

ただ、ブロガーとしてのp_shirokumaさんをみてきた僕からすると、もうちょっと「遊び」があっても良いんじゃないかな、という気もしたんですよね。

これじゃ、ちょっと「堅苦しい」のではないか、と。

でも、「精神科医として書く」という制約があると、どうしてもその枠組みを意識してしまうところも、「ロスジェネ世代的」なのかな、とも考えてしまいます。僕自身のことも踏まえて。


この『ロスジェネ心理学』、これで完結という話ではなく、今後、よりいっそう突き詰められて行くテーマなのではないかと期待しています。

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