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自殺は強いられた死で「人権問題」――日弁連が支援に始動

 一四年連続して自殺者数が年間三万人超の状態が続いている。自殺問題に弁護士が関わるべきではないとする意見もあるが、日本弁護士連合会(日弁連)は、自殺を「人権問題」ととらえ本格的支援に乗り出す意向を表明した。医療関係者をはじめ専門各者と連携をとりながら自死遺族支援も含めたネットワークの構築を目指す。

 日弁連の人権擁護大会が一〇月四日に佐賀県佐賀市内で開かれた。今回は、同大会で初めて自殺問題がテーマのひとつに取り上げられた。自殺は強いられた死で「人権問題」と位置づけ、日弁連として自殺問題に関わる姿勢が示された。日弁連は、二〇〇九年に自殺対策に取り組むためのワーキンググループを立ち上げている。

 同テーマ会場には弁護士をはじめ、行政機関や自死遺族、地元高校生など一四〇〇人以上が参加。「夜回り先生」で知られる水谷修氏の講演やパネルディスカッション、関連団体から活動が報告された。

 自殺多発場所の一つである東尋坊(福井県)でパトロールを続けてきた茂幸雄さんは、これまで八年以上の活動で四〇三人(一〇月四日現在)の自殺企図者を救った経緯から「自殺企図者は救いを求めている。声をかけてくれるのを待っている」と手をさしのべることで救える命があることを訴えた。

 NPO法人自殺対策支援センター・ライフリンクの清水康之代表は、自殺の要因は単一ではなく複数であることが多いこと、地域によって特性があることなど、データを使って解説。自殺者数が減らないのは効果的な対策がないからではなく、効果的な対策が広がっていないからだと強調した。

 日弁連は、同大会開催にあわせて『弁護士のための自殺予防・自死遺族ハンドブック』を刊行。大会開催にさきがけて訪問したフィンランドや韓国での自殺対策の調査結果も報告された。

 二日間におよぶ大会終了日には「強いられた死のない社会をめざし、実効性のある自殺防止対策を求める決議」が採択された。

(美奈川由紀・フリーライター、10月19日号)

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