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大阪市の「総合区」と、広域行政の一元化条例

大阪市の松井一郎市長が、住民投票で否決された「市の廃止・特別区の創設」の代案として、府に権限と財源を大幅に委譲していく「広域行政の一元化条例」」の制定と、大阪市に「総合区」を設けていく構想を進めていく旨、発言しましたが、どうやら本気でその方向性を探っているようです。

市を廃止する特別区とは違い、総合区を設けること自体は、都市内分権を進める点から一考に値するものだとは思います。

ただ、松井市長が考えていることは、都市内分権よりも、大阪市の権限(約430の事務が検討対象)と財源(約2000億円)を大阪府に委譲し、府直轄の行政を推し進めていくことのようです。

そこのところの意図はなんでしょうか。

たんに「二重行政の解消」ということではないようです。

1990年以降、日本で推進されてきた地方分権のもとでは、国の権限を都道府県に、都道府県の権限を市区町村に委譲し、基礎的自治体(市区町村)の自治を充実強化しようとすることを目標としてきたものですが、大阪市のケースはこうした流れとはまったく逆です。

総合区を設けて都市内分権を強め、市が調整機能を図るなど、市と総合区の役割分担を明確にするという方向性なら住民自治を充実していくという観点からも分権改革の方向性とも相いれるのですが、市の権限・財源を縮小し、府に委譲することとは別ものだと思います。

市の役割はどのようなものとなるのでしょうか。

市の果たせる責任が小さくなるので、総合区(住民投票で否決された特別区よりも権限はない)で市の代わりをしてもらうみたいな形に見えます。

いずれにしても強化されるのは大阪府です。

ということは、やはり、将来、大阪市の市長が「維新」以外の人に交代したとしても、市に気兼ねせず、府が進める広域行政を推し進めることができるようになります。

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