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大塚家具の試みは時代の流れに取り残されまいとしたこと

 大塚家具の大塚久美子社長が退任となるそうです。

 大塚家具が赤字となり、復調も適わないままの終焉でした。

 これを父と娘の骨肉の争いというような見方はあまり表層的です。

 私は、この争いが起きたときは、先代に道理がないという見解でした。

大塚家具の問題は日本社会の問題でもある

大塚家具は久美子社長が潰したことをどう見るの? いえいえ、そういう問題ではありません。

 この記事は、久美子社長の責任という論調です。

大塚家具の「家具屋姫」久美子社長辞任に学ぶ、経営者がやってはいけない3つのこと」(ブロゴス)

 3つの問題点を指摘しています。

①父・勝久氏がゼロから生み出した”祖業”軽視が凋落の発端

②株主総会への「親子喧嘩」持ち込みにみるリスク管理力の欠如

③周囲の助言を聞かない頑なな経営姿勢で泥沼化

 この父親が生み出したとする「会員登録制高級家具のマンツーマン販売方式という独自のビジネスモデル」の是非です。

 こんな手法が一体、いつまで続くと思っているのでしょうか。ブロゴス記事では、父親がこれで急成長した、だからこれで行くべきだったと主張しているのですが、なんて教条的なのでしょう。

 こんな手法が今後、通用するはずがないではありませんか。

 ニトリなどの伸張は、安さを売りにしたものですが、結局、購買力の低下が背景にあります。

 大塚家具先代のやり方はカネのある層を囲い、売れるまで執拗にマンツーマンで張りつくという手法で、現在ではそういったやり方自体が否定されてきています。

 恐らく、その「会員」は高齢であり、最後の富裕層です。そうした層を囲み込んだ先代が一定の安定的な売上を確保していたに過ぎず、こうした層は、早晩、日本社会からなくなります。

 ましてや会員制のような縛りなど、誰も求めません。

 このやり方を聞いたとき、私は北海道で高齢者に宝石を次々に売りつけて急成長した「宝石のありもと」を思い出しました。お金のある高齢者にマンツーマンでくっつき、宝石を次々、買わせる手法です。その宝石のありもとも倒産しました。社会的批判を浴び、直接にはクレジット会社が手を引いたことが要因でしたが、いつまでも続けられる商法ではありませんでした。

2020年10月25日撮影

 先代の「会員登録制高級家具のマンツーマン販売方式という独自のビジネスモデル」など早晩、破綻するという思いこそが、路線転換を決断させたのでしょう。

 もっとも先代との裁判闘争は、企業イメージを悪化させましたが、これは久美子社長に非があるのではなく、時代を見据えることができなかった先代の責任です。老害そのものであり、足を引っ張っただけです。リスク管理の問題ではありません。

 残念ながら活路を見出すことのないまま社長辞任となりましたが、これまでの商法がダメだと見切りを付けたことは私は賞賛されるべきことと思います。

 多くの企業が時代の流れの中で翻弄され、閉店に追い込まれています。かつての花形だった百貨店デパートがその典型ですが、企業努力だけではどうにもならない時代が来たこと、正直、寂しく思います。

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