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日本は領土・領海を守れるのか-国内海外安全保障なう

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ブロガーのやまもといちろう氏が、初代内閣安全保障室長の佐々淳行氏、『ニューズウィーク日本版』元編集長の藤田正美氏と共に、国家論を軸に、外交、防衛、治安維持、食糧問題(TPP)・エネルギー問題などを考えるシリーズ国内海外 安全保障なう。日本の領土・領海をテーマに議論が進みました。

■出演 やまもといちろう氏(ブロガー、個人投資家、作家)
佐々淳行氏(初代内閣安全保障室長)
藤田正美氏(ジャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集長)
アシスタント:木次真紀(元山陰放送アナウンサー)


放送アーカイブ

竹島問題を考える

やまもと:今回取り上げるテーマは、日本の領土・領海を守れるのかということですが、第2回の放送から今日まで、日本の主権であるとか領土について危機感が高まった1か月だったなと。今日はこのあたりのお話を伺えればと思います。

まず竹島の件で、李明博大統領は、なぜあそこまで立ち入ったのか。

佐々:これは完全に韓国の国内問題だと思われます。そしてこうした行動によって世界の関心を、日韓関係に重大な領土問題があるということを教えてしまったということで、李明博氏の大失敗だと思います。

やまもと:非常に強いメッセージを送ることで、却って韓国側に領土問題に対応する国内的な余裕がないんだということが明らかになってしまったと。

佐々:竹島を自国の領土だとなぜ強く主張しなかったのかという批判もありますが、李承晩ラインが引かれた当時、日本は占領下にあったということを皆さんお忘れになっている。それで本来ならアメリカが調整すべきであったところ、サンフランシスコ平和条約が発効された昭和27年というのは、昭和25年に朝鮮戦争が始まったばかりですから、アメリカとしては韓国に不利益なことはできない。ですから日韓の領土問題についてアメリカは中立です。二国間の領土問題については、いずれにも肩をもたない、国連の問題でもないと、アメリカは李承晩に甘くしたんです。

やまもと:最近では対馬も韓国領だという主張もありまして、運動が広がっていっているようです。

佐々:韓国の反日デモを見ていると、横断幕に『対馬は我々のもの』、テロップの翻訳によると、そう書いてあった。それと機を同じくして中国の深?でも反日デモがあって、横断幕に『琉球返せ』って書いてあったんです。(領土問題が)沖縄と対馬に波及している。

中国が制定した領海法によると、石垣島も中国領に入ってしまっているんです。日中間には領土問題がありませんという、外務省の公式見解。あれだけ反日運動が起こっていながら、よくあんな非現実的な答弁が出来るものだと思います。これに関しては自民党の時から良くない。

やまもと: 今、政府は韓国・中国・ロシアから非常に強いプレッシャーを感じているところだと思います。従来の外交の姿勢をこのまま続けていっていいのでしょうか。

藤田:それそれ問題が違ってくると思います。北方領土にしても二島返還なのか四島返還なのか、結局外務省の方針はまとまらないままです。プーチンさんが大統領に最初になった2001年、森喜朗さんが首相だった時に経済援助と四島返還の話をバーターにロシアが持ち出そうとしたんです。その時に森さんは何と言ったか、『そういう話は経団連とやってください』。経済的な問題と政治的な問題と、バーターにしてやるのが外交であるとすれば、森さんはまさに外交音痴であったと、その時に露呈してしまったんです。

やまもと:シベリアパイプライン問題ですとか、資源の高騰局面直前で、ロシアは外貨が必要だった時期の話なんで、あの時に一気にやっていれば、もう少し状況は変わってきたのかもしれません。

藤田:それに比べると、尖閣と竹島の問題は、ちょっと違うと思います。

やまもと:竹島の問題は経済水域の問題があるにせよ、重大な二国間の経済問題を反映しているものではないはずです。政治的象徴としてクローズアップされすぎた問題でした。

藤田:李明博大統領の外交センス、ちょっとおかしいと思うんですけど。

佐々:同じことが、日本にも言えるんです。北京駐在の丹羽大使は元々経済人です。あの方を大使にすることには、猛烈な反対があった。中国13億人のマーケットと考えている人を大使として送り込むのは、不適当であると。大使は小村寿太郎みたいな侍でないと。いざとなったら命がけで国益を守る人でないと。

そこに尖閣列島の中国人船長の事件が起こりました。この時、丹羽大使は真夜中に中国の外務省に出頭を要求され、出向いているんです。国際常識としては、夜中、執務時間外に呼び出した方が非常識です。

それで船長を釈放しろと言われた、それを仙谷官房長官に報告すると、菅総理と前原外務大臣がニューヨーク外遊中で不在の中、仙谷さんは閣議にもかけないで超法規措置で釈放、その責任を政治主導と言いながら沖縄地検の次席検事の責任にしました。前代未聞の責任転嫁です。

そして先日、襲撃されて国旗をとられた。大使の車は日本の主権です。特に大使の公用車は、保護されるべき外交特権の典型的なものです。それを襲撃されたら、アメリカのシークレットサービスなら撃ちます。しかもそれは国際社会としては正当の業務行為になります。今度の件は旗を取られて、それを返せとすら言ってない。

やまもと:保護しないんですね

佐々:ただの旗であると言ってきたそうです。主権侵害もさいたるもので、あれだけのことをされたら、総理や官房長官、外務大臣が、激烈な怒りを示さなければいけない。

やまもと:丹羽大使が更迭された時に、中国から3つの条件、上陸しない、建設しない、調査しないであるとか、様々な条件を突きつけられて呑む形になってったそうですね。

佐々:今度の事件で、丹羽大使を更迭してはいけなかった。

やまもと:問題が起きて更迭ということは、問題を認めているということですよね

佐々:向こうが更迭を要求しているところに従って更迭するバカはありません。 怒っている時は、いてくれと言われても引き上げさせる。今度は出て行ってくれって言われているんだから、置いておく。相手の嫌がることをするのが、国益を求める外交です。

藤田:言われたことはやらないということです。矜持を保つということですから。そこは頑張らなければいけません。

やまもと:同じようなことがフィリピン沖に発生していて、フィリピンと中国の間で漁業権について強い対立が見られます。フィリピンが中国側の経済的なパージを恐れてむしろすり寄るような形ですけど、今、フィリピンと日本とが似たような外交をとっていて、難しい局面に追い込まれている。

粛々と現行法で対処しますよというのも大事な事なんですが、どういう外交的なオプションをとっていくのか。今のままでは先方のやり得になって、どんどんエスカレートしてしまうのは間違いありません。

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