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北朝鮮で「コロナ・パラノイア」大学生の集団発熱で拡散

北朝鮮当局は今のところ、自国内で新型コロナウイルスの感染者は発生していないとしている。しかし、国民の多くは信用せず疑心暗鬼にかられ、各地で「コロナ・パラノイア」とも言うべき現象が起きている。

今回「コロナ騒ぎ」が起きたのは、東海岸の江原道(カンウォンド)元山(ウォンサン)だ。

現地のデイリーNK内部情報筋によると、元山市の水上洞(スサンドン)にある元山水産大学の寮で、多くの学生が高熱、呼吸混乱の症状を示し、学校は完全に閉鎖された。翌日、地域の保健当局関係者が大学に派遣され、学生から検体を採取した。

そして数日後。中央の保険機関から結果が知らされた。ウイルスは検出されなかったため、コロナではなく急性肺炎だというものだった。同時に「コロナ関連のデマを広げてはならない」とかん口令を敷いた。北朝鮮は防疫対策の違反者には軍法を適用しており、バレれば銃殺もあり得る。

ところが、全く逆の状況となってしまっている。噂の拡散が止まらないのだ。

「検査結果は信頼できない」
「急性肺炎がなぜ集団で突然発生するのか、感染症ではないのか」(市民の声)

ほかにも「なぜ、急性肺炎との診断を下したのか」「隔離者が増えて高熱と呼吸困難で死ぬ人も出ているのに、国はコロナではないといっているが、信じられない」などと言った声が上がっている。

当局は「コロナではない」と発表する一方で、学校の完全封鎖は解いておらず、またその説明もまったくないことから、市民の間では不安が高まっている。

世界保健機関(WHO)が発表した「COVID19週間状況報告書」によると、北朝鮮では検査を受ける人は増えているが、感染者は1人も報告されていない。

これについて平壌の別の情報筋は、「WHO関係者が平壌にいるが、検査の現場での状況確認はできない」「上(政府)から結果を一方的に通知されるだけ」と、統計の信頼性に疑問を呈した。

別の情報筋は、今月1日の時点で、全国で隔離された人の数が累計で8万1000人に達したと伝えている。軍関係者を除いた数字で、実際の隔離者数はこれよりはるかに多いものと思われる。

北朝鮮の各地では今年に入ってから発熱、呼吸困難などで死亡に至る事例が相次いでいる。

今年1〜2月、中国と国境を接する平安北道(ピョンアンブクト)、慈江道(チャガンド)、両江道(リャンガンド)、咸鏡北道(ハムギョンブクト)に駐屯する国境警備隊では新型コロナウイルスと思しき症状で180人が死亡。3〜4月には、一部の部隊で組織が機能しないほどの状況に陥った。

また、両江道(リャンガンド)の大紅湍(テホンダン)郡では今年3月ごろから高熱を訴える患者が続出し、21人が死亡した。さらに、5月末からの1ヶ月間で平壌、江原道(カンウォンド)、黄海北道(ファンヘブクト)の3つの地域だけで70人の高齢者が発熱、嘔吐、下痢など感染症が疑われる症状で死亡した。

しかし、コロナ以外にも衛生状態、栄養状態の悪さから様々な感染症が蔓延しており、何の病気なのかは未だもってわかっていない。

※デイリーNKジャパンからの転載

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