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11月ロイター企業調査:米バイデン政権なら、対中投資積極化の動き


[東京 10日 ロイター] - 11月ロイター企業調査によると、米国がバイデン政権となる場合、手控えられていた日本企業の対中投資が回復する可能性が示された。調査時点でトランプ政権継続の場合に対中投資を後退させようとしていた日本企業は4分の1にのぼっていたが、バイデン政権ならむしろ積極化させると回答した企業が、減らすと回答した企業を上回る結果となった。新政権次第で対米・対中ビジネス戦略が変わるとの回答も製造業の3割弱を占めた。

この調査は10月26日から11月4日に実施。485社に送付し、回答社数はおよそ228社程度。

米大統領選挙の結果、バイデン氏が次期大統領となる見通しとなった。企業の間では「バイデン氏が大統領となった場合、貿易視点の対中国政策の緩和が想定される」(紙・パルプ)との見方もある。

対中投資に関して、トランプ氏勝利の場合「増やす」との回答は製造業で3%にとどまり、非製造業ではゼロ。「減らす」との回答は製造業で25%、非製造業でも20%を占めた。一方でバイデン氏勝利のケースでは逆に「増やす」との回答が製造業で18%、非製造業でも10%あった。

大方の企業は対中投資姿勢はこれまでと変わらないとしているが、少なくともトランプ政権の継続の場合に顕在化していたであろう対中投資の後退には、歯止めがかかりそうだ。

大統領選挙の結果次第で対米・対中ビジネスの戦略が変わる可能性があるとの見方は製造業で27%、非製造業で10%となった。具体的には「関税の変化」、「メキシコの生産拠点の位置づけ」(いずれも輸送用機器)、「石油価格の変動」(小売)、「グローバルな物流の変化」(運輸)などを企業は想定している。

対中ビジネスをめぐる環境については、米国の対中安全保障政策以外にも複雑な要素が絡まっているとの指摘もある。「民主党政権下では環境規制が厳しくなる傾向がある」(化学)などの見方もあるためだ。

「選挙の結果がどうあれ、今後は日本企業の立ち位置は難しいものになるだろう」(ゴム)といった声もあった。

「サプライチェーンの変化が生じると予想しているが、新しいサプライチェーンへのアプローチは今までと同様にはいかないと考えている」(化学)との見方も多い。

ただ調査時点では、対中事業の調達ルート見直しの必要性があるとの見方は少なく、9割は「必要ない」と答えている。必要ありと答えた1割の企業のうち多くは「すでに対応を進めている」としている。

日本企業にとって今年度の収益見通しは厳しいものがあるが、金融環境については政府や日銀による様々な支援策もあり、緩和的な環境が提供されている。

今後の資金調達について聞いたところ、下期に運転資金や資本性資金の調達を検討している企業は15%にとどまった。調達を検討している企業の具体的な手法は、銀行借り入れが88%を占め、次いで社債が12%。資本性資金の調達はわずかだった。

資金調達を予定する企業の中には「新型コロナウイルス感染症による需要低迷の長期化リスクに備えるため」(輸送用機器)、「昨冬以降赤字が続き、預金が底をついてきた」(サービス)など、コロナ感染症の影響を訴えるケースも散見される。一方で「将来の設備投資に備えるため」(運輸)といった前向きなコメントもある。

ただ、多くの企業では法人企業統計などでも示されているように手元資金は豊富に積み上がっているとみられる。調達予定がない企業からは「手元資金に余裕がある」(化学)、「事業ボリュームが縮小しているため既存の運転資金で賄える」(食品)などの声があった。  

(中川泉 編集:石田仁志)

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