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Amazonがやってきて、電子書籍出版社がこの先生きのこるためには

非常に光栄なことに、昨日のエントリを読んでくれた(おそらくはblogos経由で)電子書籍出版社の方から、反応のメールをいただいた。そこで、昨日のエントリに加えて、僕が考えている電子書籍ビジネスの今後と、生存をかけた戦略に関して少し書いておきたい。

まず、これから電子書籍ビジネスで生き残ろうと考えたときに、最優先事項は「Amazonと殴り合いをしない」ということだ。GoogleだとかAppleだとか、そういうレベルだったら勝手にやれば良いと思うのだけれど、楽天やsonyや紀伊国屋がAmazonと殴り合いをして、正直勝てる気がしない。あのレベルのユーザー体験の電子書籍ストアを、数年かけてコンテンツを用意して、専用デバイスまで用意して、まさに満を持して攻め込んできたのだから、半年そこら頑張った楽天や、デバイス屋さんのsonyだとかが逃げ切るのも難しいと思う。2016年には世界市場規模7500億円くらいになるらしいので、二番手を狙っていく戦略はありなのかもしれないけれど、それすらもままならない電子書籍出版社が多いのではないのだろうか。では、Amazonと殴り合いをしない電子書籍ビジネスってどうすれば良いのか。

「将来的に電子コンテンツは定額課金モデルにうつっていくので、定額課金で漫画読み放題にすれば良いよ」って言うのは簡単なのだが、現実問題、小さな電子書籍出版社にそれが実現可能なのかっていうと、かなり疑問が残る。980円とかで「漫画を含む書籍読み放題というサービス」を始めることができるのならば、それは結構なのだけれども、権利がどうのこうの、電子化がどうのこうのともめている現時点で、サービスがなりたつほどのコンテンツを用意できるのか。そしてペイできるのか。

amazonがkindle singlesなどのライトコンテンツを自家製しはじめていて、amazon primeで読み放題モデルを実験している中、書籍コンテンツをそのまま使っての定期購読は結構危険な気がする。前回のエントリでは、電子書籍デバイスとストアを持っている楽天だったら、とにかくデバイスを広めることができれば、後からどうとでもペイできるので、ライトコンテンツをweb上からかき集めて、テキスト出力機としての位置がkoboで確立できた場合は、定額課金で有料コンテンツへのアクセス権を売る、ということを提案した。しかし、電子書籍デバイスを持っていないほかの電子出版社がこれのまねをできるのだろうか。

これに近いことができるとすれば、ニコニコだろうと思う。メルマガをはじめ、電子書籍出版に乗り出した。クリエイターの土壌も持っている。ニコニコだったらライトコンテンツを定額課金で売り出すことは可能だろう。だが、これはもはやweb系のコンテンツビジネスになってくる。cakesみたいな、新しい定額課金コンテンツサービスも出てきたいま、「出版業界から時代に乗って電子書籍を始めました」みたいな電子書籍出版社だと厳しいかもしれない。

そういった電子書籍出版社に提案するとすれば「探すに特化した電子書籍ストア」である。電子書籍というサービスのステップは「電子書籍を探す」「電子書籍を買う」「電子書籍を読む」だ。「買う」でamazonのワンクリック購入を超えることは難しいだろう。「読む」で専門デバイスに加えて、iOS、Androidアプリを持っているkindleとkoboに勝つのは難しいはずだ。そうなってくると「探す」に特化するのが活路なのではないだろうか。

確かにamazonの検索機能とリコメンド機能は優れている。しかし、本を探しているユーザーが「検索」「リコメンド」のみで意思決定をしているとは思えない。「探す特化型」として、一つの形がユーザーレビュー特化型だと思う。ブログやソーシャルメディアなどから、本に関するレビューをかきあつめてくる。amazonのコメント機能よりも、よりレビューに重きを置いたサイトデザインにする、などによってレビュー特化型の電子書籍ストアを作れば、ユーザーは本を「探すこと」をしにストアにおとずれるはずだ。

他にはキュレーションなどが考えられる。例えばCOW BOOKSのように本のセレクトショップを想像すれば良いのかもしれないが、電子書籍ストアでも、良い本の推薦に特化することができれば、「本を探す」部分を抑えられるはずだ。本というものは、推薦する人のセンスというものがかなり重要になってくるものだと思う。僕自身、本を購入するときは、人気ランキングよりも、もちろんamazonのリコメンドよりも、僕が信用をしている読書家のブログを参考にすることが多い。そういった本で、電子書籍ストアとしてのブランドを確立するのは、「探す特化型」として、ありだと思う。

また、プラットフォームが出てきたときに、ビジネスをする上で考えた方が良いことで「ターゲットをしぼったインターフェースを用意するとどうなるのか」というものがある。「女性向けのソーシャルブックマークアプリ」「ギャル向けのtwitterクライアント」と例をだせば、ピンとくるかもしれない。つまり、女性が「探す」のに特化した電子書籍ストアや、ご年配の方が「探す」のに特化した電子書籍ストアなどは一定のニーズがあるだろう。

以上がつらつらと僕の思考が向くままにまとめた文章だ。何か参考になれば幸いだ。

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