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生活保護問題対策全国会議が会見――基準引き下げを批判

 年末に向けて生活保護基準の見直しが山場に近づいている。最後の命綱である生活保護基準引き下げに反対するアクションを起こそうと、生活保護問題対策全国会議(代表幹事・尾藤廣喜弁護士)が一〇月一〇日、厚生労働省内で記者会見を行なった。

 生活保護バッシング報道を背景に閣議決定された二〇一三年度予算概算要求基準は、生活保護費削減を明記。来年度は五年ごとの支給水準改定の年にあたり、年末の予算編成に向けて、生活保護基準引き下げが予想される。

 宇都宮健児弁護士は「生活保護受給者の増加は、日本で貧困と格差が拡大していることの結果。捕捉率が二割程度しかない現状のまま基準が引き下げられれば、生活困窮者の餓死・孤立死、自殺が増加するのは必至。基準と連動して最低賃金や地方税の非課税基準も下がることになり、国民生活全体に大きな影響がある」と訴えた。厚労省が支援策として九月末に公表した「生活支援戦略」の素案についても、「露骨な給付抑制策が並んでおり、現行生活保護法の根幹に変更を加える憲法違反の疑いのある提案も散見される」とした。

 生活保護問題対策全国会議事務局長の小久保哲郎弁護士もこの素案について「前半は新たな生活困窮者支援策が並ぶが、後半では、就労義務や扶養義務、管理強化の抑制策が並んでおり矛盾している。行政から委託を受けた支援事業者が支援をしようと思っても、福祉事務所は期間を形式的に区切った厳しい対応をし、現場に混乱が生じる」と指摘。生活保護を切り縮め、民間委託して生活困窮者支援をさせようとしているのではないかという懸念を示した。

 小久保弁護士は、受給者の中で増加しているのは高齢者であるのにもかかわらず「働けるのに漫然と生活保護を受ける人が増えている」という誤った前提に立って、生活困窮者の生活支援戦略を稼働年齢層への就労指導強化に収斂するのは誤りだと批判する。

生活保護問題対策全国会議サイト http://seikatuhogotaisaku.blog.fc2.com/
(清水直子・ライター、10月19日号)

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