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君子豹変:安倍総裁の公債特例法対応方針変更を支持

 安倍総裁が先日の有楽町での街頭演説を機に、「『赤字公債特例法』と『0増5減』法案の審議に入るので、そのことを踏まえて早期に解散を」という姿勢に転じた。
 これまでは「解散の確約がないと、2法案の審議に入らない」と言ってきたわけであるから、大きな方針転換である。こういう大きな方針転換をしれっとやってのけるところに、安倍総裁の新しい強さが現われていると思う。目下の者として失礼な言い方になるのは承知で言うと、病気による退陣というどん底と、5年間の雌伏の時期を経て、したたかで逞しいリーダーになったと思う。

 民主党が他の手段があるにもかかわらず地方自治体への交付金の配分を遅らせるなど、政権与党としてあるまじき、政局のためなら日本がメチャクチャになってもいいという「焦土作戦」を取ってきている以上、ここで方針転換し、公債特例法を成立させ、逆にその後に約束の履行(=解散)を求めるという戦術転換は極めて正しい。これでまた自民党が主導権を握ったことになる。

 これまでの自民党の戦術は「公債特例法」を人質にとった人質作戦と言われてきた。また他の手段があるにもかかわらず平気で地方への資金配分を遅らせる焦土戦術に出てきた民主党政権との間での「チキンレース」ともいわれてきた。

 しかし相手が「公債特例法」が潰れてもいいという自暴自棄な姿勢でいる限り、人質作戦は成立しない。またチキンレースというのは双方がまともな場合に初めて成立するのであって、一方の民主党が迷走して自棄になっている状況では、キチンレースにはならないのだ。

 そもそも自民党は公債特例法そのものに反対というわけではない、その一部が自民党が反対する高校無償化等のバラマキ政策に使用されることに反対なのである。
 一時期は、自民党が反対する部分を減額した公債特例法の対案を出すことも党内で密かに検討されたが、もし対案を出すと民主党が「ではその対案に基づいて補正予算を編成しましょう」となって、また解散引き延ばしの口実を与えることになり、結果として政権の延命に手を貸してしまうことになるというジレンマに苦しんだ。
 政権にしがみつくためなら何でもありの与党を相手にするのは本当に手間がかかるのだ。

 公債特例法は衆議院は民主党の多数で簡単に通過してくる。参議院では自民党以下野党が一致して反対すると否決され廃案になる。
 今後対応方針を議論し、正式決定するが、自民党は公債特例法の採決には欠席で対応すればいいと思う。
 公債特例法の大部分には賛成で、バラマキ部分にのみ反対であることを意思を、法案そのものを廃案に追い込まない形で表明するのには、「欠席」ということがベストではないか?

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