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大統領選の行方

3日に投票が行われたアメリカ大統領選挙は、再選を狙うトランプ大統領と政権奪還を目指すバイデン前副大統領の激しい競り合いが続いていたが、7日(日本時間8日未明)になって主要メディアが一斉に、バイデン氏が当選を確実にしたと報じた。

これを受けてバイデン氏は地元デラウェア州で勝利宣言を行い、「私は分断ではなく結束を目指す大統領になる。トランプ大統領に投票した人の失望を理解している。しかしお互いにチャンスを与え合おう。激しい言葉をやめる時だ。互いを見て耳を傾け合おう。相手を敵視するのはやめよう。みんなアメリカ人なのだ」と、国民の融和と団結を訴えた。

これまでの大統領選挙であれば、ここで敗者が「自ら負けを認めて、勝者へのエールを送る」ことで勝敗が決着するのが通例であった。ところが今回は少々様相が異なる。

トランプ大統領は未だに「大統領選挙はまだ終わっていない。バイデン氏の勝利は接戦となっている州はもちろん、どの州でも確定していない」との声明を発表。「選挙に関わる法律がきちんと執行され、本当の勝者が決まるように裁判を通じて求めていく」として、あくまで訴訟で対抗する姿勢を示している。

大統領の家族からも敗北の受け入れを促しているようだが、どうやら簡単に負けを認める気はなさそうだ。暫くはアメリカの混乱が続くことになるかもしれない。

ここに至る一連の大統領選キャンペーンの様々な光景は、わが国とは全く違ったシーンの連続だった。

そもそも議員内閣制の日本と大統領制のアメリカでは比較することが難しいと言えるが、大統領が専用機で各地の空港に乗り込み、空港で待つ多くの支持者を前に演説をするなど、日本ではとても考えられない光景だ。選挙戦でメディアなどを通じて激しく相手を攻撃するネガティブキャンペーンも、私の地元の播磨地方ではむしろマイナスになる場合が多いが、アメリカでは伝統的な選挙戦術のようだ。

全米各地で双方の支持者のデモが激しくぶつかるなど、トランプ政権の誕生によりアメリカ社会に生じた分断は、今回の大統領選で更に広がりつつあるのではないかと思う。法廷闘争などを含め、暫くは混乱が続くことも予想され、ラグビーのように「試合が終わればノーサイド」と言う状況は期待できそうにない。

それにしても発展途上国ならともかく、民主主義国家のお手本ともいえるアメリカでこのような事態が起きるとは!

超大国アメリカの混乱は、世界の政治経済に大きな影響を及ぼす。もちろん、わが国にも大きな影響がある。

欧州ではコロナ感染が拡大し、再び都市封鎖を余儀なくされている。世界的なパンデミックに終止符を打つには先進国の協力が必須である。Brexitをはじめとする自国優先主義の風潮に歯止めをかけ、国際経済連携ルールを再構築することも急がれる。地球温暖化への対応も全世界的な協力体制が不可欠である。

加えてアジアの安全保障体制の揺らぎも心配だ。いずれにしてもアメリカ合衆国のリーダーシップ無くしては改善困難な課題だろう。

と言ってみても他国の内政問題である。事態を見守る事しかできない。一日でも早くアメリカの混乱が収束することを願っている。

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