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続・田中大臣による大学不認可に関する所見 田中大臣の人格論で終わらせてはいけない

田中真紀子文部科学大臣が、3つの大学認可申請に対して認めない判断をしたことにつき、様々な批判が出てきています。また、私が書いた3日付のブログ「ポジティブな化学反応が期待できる」とした件についても、ご批判をいただいていますので、追加で所見を記します。

前回ブログでも書いたように、田中大臣の今回の判断は「乱暴」と考えています。また、文部科学省の指導に沿い、3大学の準備を進めてきた立場からすれば、文科省内のダブルスタンダードとも言える今回の行動は、承服できるものではないでしょうし、来春の開校を見越して準備してきた教授陣、事務方、学生らからすれば、寝耳に水、という以外、何物でもないでしょう。そうした方々のお気持ちを慮れば、この乱暴な判断は、誉められるものではありません。今後は、田中大臣の判断が覆るか、それぞれの3大学の準備室がどう対応するか、そちらに今後の焦点は移るでしょうが、もし、田中大臣が判断を覆さざるを得なくなったときには、何らかの責任を問う声も出てくるのも、ある意味当然でしょう。

ただ、私が申し上げたいのは、今の我が国の大学のあり方が、本当に今のままでよいのか、政治の意志がなかなか反映されにくい(と少なくとも私は思っています)今の体制を、改める契機になることに期待をしているのです。

前回のブログと重複しますが、わが国の18歳人口は、平成に入ってからは平成4年の205万人をピークに、平成20年には124万人まで減少しています。そして、平成30年には120万人を切り、平成40年には110万人を切って行きます。一方で、大学数は平成元年頃は500前後であったものが、今では780にものぼります。大学全入時代と言われる所以ですが、大学を出ながら、就職するには困難を極める状況で、この先も自由に開学を認めることは、供給過剰になるのは目に見えています。社会人のキャリア教育に大学を活かそう、留学生をどんどん受け入れよう、というのが私が事務局長を務めた、党の大学改革ワーキングチームの提言の一部ですが、その通り奇麗に物事が運べばいいのですが、世の中、そう甘くはないと考えるのが冷静な見方です。既に、歯科の供給過剰、薬科の定員過多、法科大学院の厳しい状況、女学館大学の閉校などに代表されるような事象は、国の指針が不十分なことが、悪い影響として顕在化し始めている証左です。

今回の3大学�自体に社会ニーズがあるとかないとか、それを判断する材料は私にはありません。ただ、今の大学設置基準のあり方、公費助成のあり方、大学でのキャリア構成力などを鑑みるに、今の大学政策ではいけないのではないか、それを考え、議論する大きな契機に、今回の問題をとらえるべきと申し上げています。

しつこいようですが、今回の一件を、決して、田中真紀子大臣の人格批判で終わらせるようではいけません。尚、私自身、田中大臣の人格がどうかも判断できる材料を持っておりませんし、個人的に興味もありませんので、その点についてのコメントは控えさせていただくことも付け加えておきます。

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