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ココイチ創業者「ネクタイは500円、シャツは980円、靴は3000円で十分」

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カレーハウスCoCo壱番屋創業者の宗次徳二氏は贅沢をしない。身につけるスーツは1万9900円、シャツは980円、靴は3000円、ネクタイは500円だ。宗次氏は「自分の贅沢のためにお金を使おうとは全く思わない。むしろ、そうすることは恥ずかしく、空しい気持ちになる」という――。

※本稿は、宗次徳二『独断 宗次流 商いの基本』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/taa22

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/taa22

「シャツは980円」で十分だ

「シャツは980円、腕時計は7800円」で十分!

贅沢には全く興味がない。愛用の腕時計は7800円、シャツは980円、靴は3000円、スーツは1万9900円、すべて既製品である。カレーに合わせた黄色のネクタイは東京のアメ横で見つけて気に入って、1本500円のものを19本買い占めた。

高級ネクタイやシャツのお仕立券をいただくこともあるが、だいたいそういうものはお世話になっている方たちに差し上げてしまう。お気持ちはありがたいが、そもそもおしゃれをしようという気持ちがないのである。元々、友人付き合いも夜の接待を伴う場所に行くことも皆無なので、よく見せる必要もない。

自分の贅沢のためにお金を使おうとは全く思わない。むしろ、そうすることは恥ずかしく、空しい気持ちになるからだ。どうせお金を使うなら助け合いのために使いたい。それは私にとって気持ちを温かくしてくれる「究極の贅沢」だと思っている。

世の中には、助けを必要としている人たちがたくさんいる。今後ますます増え続けると思う。だからこそ経営者や多少なりとも経済的ゆとりのある人は、ぜひそういうところにお金を使っていただきたいと強く思う。今の私のただ1つの“夢”は、今のざっと「10倍」の真の助け合い社会を実現することである。

クラシック愛好家を増やすのも社会貢献活動のひとつ

経営で手にしたお金だからこそ「世の中のため」に使いたい

2002年に53歳で食堂業の経営者を引退した時、「これから自分は何をしようか」と考えた。25歳で喫茶店を始めてからは経営のことばかり考えて働いてきたので、引退後のことは全く頭になかった。ただ、経営者として得た私個人の資産は社会からお預かりしたものなので、自分たちのために使うのではなく、世の中のために使おうと考えた。そんな思いから2003年に設立したのが「NPO法人イエロー・エンジェル」である。

イエロー・エンジェルでは現在、社会福祉活動をはじめ、音楽やスポーツの分野で頑張っている人たちへの助成、留学生の支援など様々な支援活動を行っている。

また、2007年には名古屋市中区にクラシック音楽専用のコンサートホール「宗次ホール」を作った。私は15歳でクラシックと出合い、クラシックが人を癒やし、優しくするのを実感していた。しかし、演奏者として生計を立てていくのは難しく、多くの音楽家が苦労している。そんな人たちに活動の場を提供しようというのが設立の目的だ。

同時に、ゆったりした気分でクラシックを楽しむ人たちが増えれば、社会に潤いが生まれるのではないかと考えた。そういう人を増やすのも、1つの社会貢献だと思うのである。

自分に“いいこと”があったら、感謝を込めて寄付をする

「ゆとり1%」の寄付から始めてみる

私が感謝の気持ちを込めて初めて“寄付”をしたのは、ココイチ創業の翌年のことだ。銀行で100万円を借り、経費の支払いに当てた残りの20万円を地元の社会福祉協議会に寄付をした。その時、わずかなりとも人のお役に立てたことを喜び、“助け合い”の精神が芽生えた。

また、引退後、私は「ゆとり1%」活動なるものを提唱している。これは自分がゆとりを感じるような“いいこと”があれば、感謝を表す意味で、それにかけたお金の1%を貯金箱に貯め、少しまとまったら寄付するというもの。例えば、コンサートに行って楽しんできたという時に、その代金が5000円だったとすると1%の50円を寄付するわけである。

寄付のため瓶にお金を入れる

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/pinkomelet

同じように、「ラッキー20の法則」という活動も行っている。こちらは棚ぼたでラッキーなことがあった時に、その20%を寄付してもらうというもの。例えば5000円の食事に招待してもらったら、その20%の1000円をチャリティしてもらう。

今の職場である宗次ホールの事務所とかロビーにはチャリティボックスが50くらい置いてある。それぞれ「介助犬協会」「福祉施設」というように寄付先が明記してあり、お客様やスタッフが好きなところへ寄付をする。助け合いの気持ちを実践することを社員にも奨励して、社会貢献活動への意識を高めているのである。もちろん、各方面から大いに感謝されている。

何にお金を使うかで、その人の生き方が見えてくる

大事なのは「できるところから、今すぐ始める」こと

何かにつけ、人間の心は不純な思いにとらわれやすい。掃除にしてもなんにしても、よい行いをするとつい見返りを求めてしまう。具体的な見返りでなくても、「これだけやったのだから、何かいいことがあるだろう」とか「誰か褒めてくれないかな」などと考えたりする。しかし、そうした損得や打算を抜きにしてよい行いをするからこそ、よい心の姿勢が作られていくのだ。だから、いつも自分の心の姿勢がどうなのか、自問自答することが大切になる。

そうした心を作るために、私は募金や寄付を勧めている。「困った人がいたら助けたい」という気持ちは多くの人が持っているはずだが、身銭を切るとなるとなかなかできない。大事なのは額の多寡でなく、できるところから始めること。いつかではなく、今すぐ始めることだ。今夜から、着替えた服のポケットの小銭を空き瓶に入れるところから、ぜひ始めてみてほしい。

「あなたはお金持ちだから寄付ができるのだろう」と言う方もいるが、それは違う。たとえ莫大な財産を持っていても、その気がなければしないものだ。お金の使い方には、その人の価値観が現れている。心の習慣を「他者本位」にすれば、人も助かるし喜んでもくれる。自分も心の満足が得られて嬉しい。寄付や募金を通じて、ぜひそれを体感してほしい。そんな意識が社会全体に広がり、やがて今の10倍の寄付社会となることを私は願っている。

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