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デヴィ夫人 度重なる失言騒動でもテレビに出演し続ける理由

ブログにお詫びの言葉を載せるのは珍しいことだという

 デヴィ夫人の言葉には力があるということなのだろう。自らの恋愛観を語った著書『選ばれる女におなりなさい』(講談社)は15万部を超える大ヒット。一方、人を斬る力も強く、数多くの舌禍事件を起こしてきた。テレビに好かれる“諸刃の舌”の生き残り方とは。

【写真】前はざっくり、耳にはグリーンに光る石のピアス、メイクもばっちりな美川憲一

 歯に衣着せぬ発言は、デヴィ夫人(80才)の代名詞。テレビでもブログでも、その舌鋒の鋭さは衰えをしらない。が、時には、それが行きすぎることも。

「(女性が)不妊になるのは堕胎が原因です」
「9割9分は堕胎です」

 そんな発言が飛び出したのは10月24日放送の『胸いっぱいサミット!』(関西テレビ)でのこと。生放送中の出来事で、共演者が取りなそうとしても、デヴィ夫人は発言を撤回しようとはしなかった。

「“数字に誤りがあったようなので謝らせていただきます”とは言ったものの、実際には局アナがお詫びをして尻ぬぐいをしていました」(テレビ局関係者)

 デヴィ夫人の説は当然、事実無根なのだが、SNSでも引き続き持論を展開したため、瞬く間に炎上。デヴィ夫人が《中絶せざるをえなかった方々等を心ならずも傷つけてしまったり、不快な思いをさせてしまったことは残念であり大変申し訳なく思っております》と謝意を表明したのは放送から4日経った28日のことだった。鎮火が遅きに失したことで、出演予定だった茨城県でのPRイベントは、ひっそりと中止に追い込まれていた。

「デヴィ夫人以外にも多くの芸能人が出演することになっていたから関係者にも影響が出てしまっています。イベント当日の中止決定となり、大打撃ですよ。ご本人もルーツが茨城県にあるため、ショックを受けていたようですが、身から出たさびです」(イベント関係者)

 周りを巻き込む大事になってしまったが、デヴィ夫人の“舌禍事件”はいまに始まったことではない。

「ちょっと思い出すだけでも、マリアンさんや、川崎麻世さんと結婚していた頃のカイヤさんとやりあっていましたよね」(芸能関係者)

 別の芸能関係者は、そのほかのトラブルもよく記憶している。

「古くは40年近く前、パリの高級ナイトクラブで男性に声をかけ、その連れの女性にたしなめられて平手打ちをして出入禁止に。故・野村沙知代さんを『毒婦以下』と罵って訴えられたかと思えば、比較的最近では、ある番組で内村光良さんに“あなた、略奪婚なんでしょ?”と言って周囲を凍りつかせたこともありました。もっともこの番組は収録だったため、この発言はカットされましたがね……」

 デヴィ夫人の矛先は、一般人に向くことも多かった。

「番組収録中に、共演した一般女性をやはり平手打ちにしたこともありました。ブログでは、いじめを苦にしての自殺事件に触れて、その加害者側の母親として別人の写真を誤って掲載したこともあります」(前出・芸能関係者)

 広告代理店関係者も、奔放なデヴィ夫人に手を焼いた過去があるという。

「コンビニの新商品発表会でそのコンビニに“行ったこともないし、聞いたこともなかった”と言い放ったのです。たとえ本当のことだとしても、クライアントの前では絶対に言ってはならない、失言中の大失言です。メディア関係者は爆笑していましたが、冷や汗が止まりませんでした」

デヴィ夫人はテレビ的な人

 しかし、今回の「堕胎失言」騒動。センシティブな話題だけに多くの人を傷つけたから笑いごとでは済まされない。テレビ局側も自衛策を打ち出しているようだ。

「今回の事態を受け、局内には“デヴィ夫人をキャスティングしたい場合は上長に確認をすること”という通達が回りました。しかし、“決してキャスティングがNGというわけではない”とも併記してありました。つまり、あくまでも注意喚起なんです。これからもデヴィ夫人はキャスティングされ続けると思いますよ」(前出・テレビ局関係者)

 なぜなのか。その理由を別のテレビ局関係者がこう解き明かす。

「デヴィ夫人はとにかくテレビ的な人なんです。歯に衣着せぬ発言がウケることもよくわかっている。サービス精神が旺盛で、マスコミ対応も悪くないし、普通ならNGと言われそうな企画も、OKしてくれる。それでいて、やはり“元大統領夫人”という圧倒的な肩書はあらがえない魅力です。

 その肩書が、丁寧な口調と相まって発言に重みを与えているのです。だからこそ、言説が過激でもそれが大きな批判には発展しづらい。こうした特性を持つ人はごく限られており、女性ではデヴィ夫人、男性では橋下徹元大阪市長といったところです」

 トラブルメーカーだとしても、使いやすいからオファーが途切れない。テレビマンの倫理観が問われかねないが、そもそもなぜ、一国の大統領に嫁ぎ、海外の社交界で生きた女性が長い間、日本のテレビにひっぱりだこなのか。

「実は、私がバラエティーの世界に誘ったのよ」

 そう言って笑みを浮かべるのは美川憲一(74才)だ。

「1990年代の後半のことね。芸能人が一般人の人生相談をする番組の人気が出始めたときで、“デヴィ夫人が適任よ!”って思ったの。それでニューヨークにいる夫人に電話してお誘いしたのよ。最初は躊躇していたけど、“あなたならどこに入っても負けないわよ!”って私が言ってね。当初はギャラ交渉もプロデューサーへの挨拶も私が段取りしたの」

 美川のその予感は見事に的中。デヴィ夫人の刃物のような言説に、視聴者は釘付けになり、あれよあれよという間に、ワイドショーやバラエティー番組の常連となり、CMにも登用されるようになった。デヴィ夫人にとって美川は〝恩人〟といえるかもしれない。

「夫人はちゃんと自分のカラーがわかっていて“何か話さないといけない”というリップサービスもできる人。でも、怒りの感情とかは全部リアルね。収録で“うるさい、ババア!”って言われて、返す刀で本気でキレている夫人をよく目の当たりにしていましたもの」(美川)

 そんなデヴィ夫人を今後も起用し続けるというテレビ局関係者も、デヴィ夫人の感情面には手を焼いているようだ。

「彼女に問題があるとしたら、感情の起伏がかなり激しいこと。普段は関係者への対応も丁寧なんですが、少しでもプライドを傷つけられるようなことを言われると、カッとなって手が出たり、しまいには訴訟を起こすと言ってきかなくなる。まるで、人が変わったかのようなんです。今回の失言も生放送でしたが、私も、生放送で起用するのはちょっと怖いですね(笑い)」

 時に奔放に、時に周囲の求めているキャラクターを演じながら芸能界に長く残り続けるデヴィ夫人。彼女が画面から消えることはない、と断言するのは、この世界にデヴィ夫人を招き入れた美川だ。

「これからも夫人はしぶとく生きるわよー。テレビから消えるなんてないわよ。いまの時代に、あのしぶとさは大事なの。夫人の代わりなんてほかに誰もいないわ」

 今回の失言騒動で反省しすぎたデヴィ夫人になると、テレビでの需要が……というのは杞憂のようである。

※女性セブン2020年11月19日号

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