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バイデン新大統領は親中派なのか、メディアの報道をチェックしてみた


バイデン夫妻(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 長引いた大統領選挙で、ジョー・バイデン氏に当選確実が出た朝は、アメリカの各都市でどこからともなくサポーターたちの歓声が響き渡ってきた。

 現在、バイデン氏は分断してしまったアメリカをまとめあげようと「Unify(団結)」と声高に叫んでいる。

 バイデン氏はこれまでに7450万を超える票を獲得しており、オバマ氏の得票数6950万票を超える新記録を樹立した。また、今月78歳を迎える年齢も、歴代大統領としてはレーガン元大統領を抜いて最高齢となる。

 ファーストレディとなるジル・バイデン博士はイタリア系アメリカ人で、副大統領夫人時代も含め、教師として30年以上のキャリアを持つ。ファーストレディになっても教鞭をとり続けるという珍しいケースとなる。

 副大統領となるカマラ・ハリス氏はアメリカ史上初の女性副大統領で、黒人としても南アジア人としても初めての快挙だ。夫は敏腕弁護士だが、現在は妻をサポートするため仕事を休業している。

 それぞれが目新しいスタイルを持った政権が、来年1月にスタートする予定だ。

 この新政権は、中国に対してどういう姿勢で取り組むのか、世界中の注目が集まっている。トランプ氏は「バイデンが勝てばアメリカは北京に支配される」などと繰り返し主張してきたからだ。

 バイデン氏がオバマ政権時代に訪中した際の写真が出回ったこともあり、世間の多くはバイデン氏が親中派とのイメージを持っているようだ。

 バイデン氏は長い議員生活で上院外交委員会の委員長を務めたこともあり、外交は得意分野である。

 過去の発言によると、1979年には、中国の発展はよいことだと考えていた。しかし、オバマ政権の終盤には両国が協力できることを話し合いながらも、競合点が見えてきたという。

 大統領候補としては、中国を強く批判している。コロナに関するトランプ政権の中国への追及も甘いと言い、さらに厳しい対応を求めていた。

 最近のメディアの報道をいくつか抜粋してみよう。

 ロイターは、中国がバイデンから柔軟な姿勢は望めないだろうと報道している。

 バイデン氏は、新疆自治区のイスラム教徒に対する扱いを“大量虐殺”として、現政権よりさらに厳しく扱うと明言。中国の暴力的な人権侵害に対して各国が連合して立ち向かうと同時に、気候変動や核開発など協力できる点を模索すべきとのバイデン氏の主張を紹介した。

 フォーリン・ポリシー誌は、バイデン政権がトランプ政権に比べて首尾一貫した中国政策を取るだろうとしている。中国が話せる相手を見つけられたとしても、それは柔軟なものではない。きちんと中国に対峙するためにも、アメリカ国内の経済がしっかり安定している必要があるとしている。

 ニューヨーク・タイムズは、オバマ政権時代、中国と友好関係を作ったが、「中国に対して寛大だ」というトランプ大統領の主張を否定する態度に出るだろうと予想している。

 ワシントン・ポストも、バイデン氏は人権などトランプ政権がやらなかった点に重点を置き、他国と連合しながら、これまでより強い姿勢で中国に臨むだろうと報道している。

 いずれのメディアも、バイデン氏の強硬路線を予想している。

 では、中国メディアの反応はどうだろうか。中国共産党の機関紙の国際版グローバル・タイムズはかなり詳細な予想を報道している。

 両国間の緊張は少し和らいだものになり、ハイレベルでの話し合いが復活するだろうとの見方である。

 ワクチンや感染予防、気候変動などに関して、実質的な協議ができるかもしれない。バイデン氏は専門的な担当者を指名するだろうが、お互いに信頼を築き合うには時間がかかる。

 ただ、アメリカは政党に関係なく中国に対する考えが一致しており、誰がリーダーになってもおおまかな方向性は変わらないとも述べている。

 トランプ政権が課した関税はバイデン氏にとっても交渉を有利に運ぶもので、撤回するとは思えない。TPPに復帰する可能性も薄い。

 中国に対して一線を超えることはしないが、残りの70日間で、トランプ政権が最後の狂気的な何かを仕掛けてくる可能性も指摘している。

 国営の国際ニュース放送CGTNは、トランプ政権になってからアメリカ人の中国に対する好感度が著しく低下していることから、今後も情勢に大きな変化はないだろう、アメリカは優位性を保つため中国を抑えなくてはならないという声を紹介している。

 両国メディアともに、バイデン氏が柔軟な姿勢を取ることはなく、アメリカと中国の緊張が続くだろうとの予想で一致している。

 バイデン氏は、まず国内をまとめることに重点を置き、外交はその後になるとの見方が強い。すでに閣僚人事の名前が何名も飛び交い始めているが、具体的な話が入ってくるのはまだ少し先になりそうだ。(取材・文/白戸京子)

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