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民主主義の危機

アメリカ大統領選が終わり、バイデン候補が次期大統領に選出された。

その選択はアメリカ国民に委ねられているもので、どちらが勝ったから良かったということについて述べるつもりはない。

個人的にはバイデン氏のキャリアと実績からして、中東地域を始めとする国際情勢が落ち着きを見せることや各国の財政規律が正常化していくことを期待していたが、一方で傍若無人なトランプ氏の振る舞いも過剰な協調主義に辟易としているところもあって、逆にある種の好感も持っていた。

そういった個人的感想はさて置き、危惧が強まっているのは選挙後のSNS。日本でさえも陰謀論が燃え広がっている。やれ、投票率が100%以上だの投票用紙に透かしだの。これらはほとんどYouTubeだのTwitterだのが根拠の、証拠のないデマ(BBC)。

笑い話で済まされないのは、ちょっと考えれば?となるようなこの手の話を真剣に信じる方が様々な階層を問わず増えてきていること。このようなデマを巧みに操って民主主義国家を全体主義に塗り替えたのがナチスドイツであった。

実際、焦点となったペンシルバニア州のフィラデルフィアでは、開票所を襲おうとして逮捕されたQアノン信者まで出ている。

このような状況になった主要な原因は、トランプ大統領の日頃の言動にあることは勿論だが、陰の主役はマスコミ。やらせでドキュメンタリー番組を作るなんてことは可愛いもので、時にはニュース映像にまでやらせを折り混ぜる。時には、ニュース自体がフェイクの場合もあることは、さきの大阪都構想の投票直前にも見られたこと。こうした行為を繰り返すことでメジャーマスコミのニュース報道への信頼が失われていることが、反面として、SNSにおける陰謀論を成長させているのだ。

戦前を思えば、メジャーマスコミこそフェイクを量産した悪質な媒体だったのだから、今のマスコミ報道に多くを期待する方が間違っているかもしれない。

さて、少し話が逸れたのを元に戻そう。

今の状況は、本当の意味で民主主義の危機。投票による多数決自体への信頼が失われてしまえば、実力行使の世界に逆戻り。

トランプ大統領の地位などより、今回の彼の言動が、民主主義そのものを揺るがしていることを彼と彼の支持者たちは気づくべきだ。

子ブッシュと激しく競り合ったゴア氏は、今回のような大接戦となった2000年の大統領選で訴訟もしたが、結局敗北宣言をして結果を受け入れた。私は当時それを残念に思い、あの時違う選択肢となっていたらその後の9.11やイラク戦争も無かったかもしれないと時折残念に思い出したりするが、今回の事態を見て、初めてゴア氏のあの時の選択の理由がわかった。

今の民主主義を尊重するのであれば、全ての想いを超えて、その根本的システムである多数決も尊重しなければならないのだ。

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