記事
- 2020年11月08日 11:15
バイデン前副大統領当選確実 ~ Good News か Bad News か
「米大統領選で民主党候補のジョー・バイデン前副大統領(77)の当選が確実となった。複数の米メディアが7日伝えた。バイデン氏は報道を受けて声明を出し「大統領に選ばれて光栄だ」と勝利宣言した」(8日付日経電子版 「米大統領選、バイデン氏勝利宣言 ペンシルベニア制す」)大統領選挙投票から4日たった7日になって、ようやくバイデン前副大統領に当選確実が出た。メディアでは、この結果に安堵、歓喜する米国民の様子などが流されている。
一定の結果が出たことは一歩前進かもしれないが、トランプ大統領再選によってもたらされる混乱と、バイデン新大統領誕生によってもたらされる可能性のある混乱を想像すると、手放しで喜ぶ気持ちにはなれない。両者の違いはトランプ大統領再選の場合はある程度想定できるのに対して、バイデン新大統領の場合は未知数であるところ。
バイデン新大統領誕生の求心力となったトランプ大統領がホワイトハウスを去ったあとも、様々なスキャンダルを抱えているとも噂されているバイデン新大統領が求心力を維持できるのかも不安材料。
今回の大統領選挙に関する日本メディアの報道にも違和感を覚えずにはいられない。何といっても報道が「トランプ大統領=悪人、とんでもない人」ということを前提にしているところ。コメンテーターの中には「トランプ」と呼び捨てにする失礼な人も少なくない。もし日本で安倍前総理を「安倍」、菅総理を「菅」と呼びつけにしたらメディアから抹殺されるはずなのに。
「トランプ氏はバイデン氏の当選確実が伝えられた後の声明で「選挙は全く終わっていない」と敗北宣言はせず、結果を受け入れない立場を強調した。「法が順守され、正当な勝者が選ばれるよう法廷で提訴の手続きを始める」と法廷闘争を続けると強調した」(同日経電子版)また、トランプ大統領が敗北を認めずに法廷闘争を継続する意向を示していることに対して、民主主義を否定する行動というような批判も出ているが、民主主義の下で与えられている権利を行使するだけなのであれば、非難によってその自由に制約を掛けようとすることの方が問題。
個人的にトランプ支持者でも何でもないが、何故かバイデン新大統領誕生には得体の知れない不安を覚えてしまう。これは長年金融市場に携わってきたことによる「職業病」なのだろうか。そうであってくれればいいのだが…。