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2012.11.05

11月某日アメリカ大統領選挙を見ていると、なんだか空恐ろしい感じがする。民主主義を標榜する大国の内実は経済界から銃社会を断固支持する全米ライフル協会、戦争仕掛け人・軍産複合体、カルトもどきの宗教集団まで幅広く支援を求めるという有権者集めと資金源求めが混在している構図がミエミエだからだ。常日頃の民族差別を棚上げして黒人だろうが、ヒスパニック系だろうが、アジア系だろうが、票になれば誰でもOKという二大政党による争いに第三の選択の余地はない。政権可能な二大政党制とはいえ、共和党と民主党しか選択肢はないのだ。にもかかわらず全米中で金もじゃぶじゃぶ使い、異様な盛り上がりを見せる。これこそ、ミーイズムの極致ではないのか。

オバマ大統領が就任して以降、アフガン戦争もいまだに続いているし、日本に対する外交政策も、従来の共和党路線とほとんど変更がない。従来の路線を踏襲する行政の継続というやつなのか。特に、沖縄に対する在日米軍の74%が押し付けられている現状も、辺野古に新基地を建設する計画も、オスプレイの強行配備訓練も、女性暴行事件に象徴される米軍人や軍属による事件・事故が相変わらず繰り返されているにも関わらず、日米地位協定の改定など日米両政府の間では一切話題にすらならない。米国では大統領が交代すると、ホワイトハウスのスタッフは総入れ替えになるというが、共和から異例の形で在留したゲーツ国防長官を長期間務めたし、クリントン国務大臣やルーツ駐日大使も対日強硬派である。

あわよくば、TPPで一挙に米国の権益拡大を狙う構えを崩していない。あ、思い出した、総理を辞めた鳩山総理が、イラン訪問を実現させた際、ルーツ駐日大使が血相を変えてイラン訪問を中止するようにストップをかけてきたというのである。鳩山本人から直々に聞いた話だから間違いない。ようするに米国外交とは別に独自のチャンネルで石油輸入ルートを確保することを米国は日本位は絶対許さないのだ。何様なのだ。日本の30年代反原発指向に対しても、原発推進の米国の圧力で野田民主党も財界も大手メディアも方針が確定できず、まさに金縛り状態なのだ。大飯原発の活断層の存在はゆゆしき問題だ。

かつて、米国が風邪を引けば日本がくしゃみをするといわれたものだが、今や日米安保条約は対中国から中東までを射程に収める日米軍事同盟に「完全昇格」だ。風邪どころではない。バネッタ国防長官も米国財政の赤字で海兵隊をグアムに移転させたり、普天間基地の海兵隊はオーストラリアも含めてローテンション機能にシフトしつつある。にもかかわらず、在日米軍がいなくては困るという野田民主党はすべてが米国任せ。米国と対等な交渉など夢のまた夢にすぎない。国会が政争の具と化しており、野田総理は暇を見てラオスで開かれるASEMの出席。だったら、中国に行って、尖閣諸島の共同管理をぶち上げた胡錦濤国家主席や次期最高指導者が内定している習近平氏と会談したらどうか。あるいは、政権末期になって身内の汚職が摘発されるということで弱っている李明博大統領と交渉するべきではないのか。

筆者も断言してきたように、ここにきて輿石幹事長もようやく年内解散は無理と断言した。メンツを潰された形の安倍総裁も石波幹事長もどうするんだ?とは言っても、支持率が18%を割った政権末期症状とはいえ、野田総理は異常にしぶといので、そう簡単に解散権や総辞職を決断することはあるまい。最近は公邸に引きこもり気味で、酒が度を過ぎてアル中症状との噂もチラホラ流れているが、これだけ民意を無視した独善政治を続けていれば、自衛官の父を持つ元柔道部で体育会系の野田総理とはいえ、鬱になる時もあるだろう。

かつての安倍、福田、麻生のように政権をブン投げれば心身ともに解放されるのだろうが、一度権力の蜜を味わった人物は,成り上がりよりも権力亡者に落ち入ってしまうようだ。民意を完全忘却した人物は、もはや座して「死」を待つしかないのか。

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