計算すると、リーマンショックの直前である08/8末は10.42倍だった。それが、アベノミクスが始まった12/12末には12.09倍に広がり、コロナショックの直前19/12末は13.74倍、昨日は14.66倍である。08/8末からの12年2ヶ月で、40%ほどの差がついた。年間約3%の差である。
言い換えれば、TOPIXに投資する代わりに、日経平均株価に投資しておけば、年間3%ずつ余計に稼げたことになる。ETF(上場投資信託)があるから、現実的な差である。
この差をもたらしたのは、日経平均株価が企業を厳選しているからである。東証第1部上場企業約2200社の中の225社で日経平均株価は計算されている。しかも、批判もあるのだが、特定の企業のウエイトが極端に高い。ファーストリテイリング(ユニクロ)11.2%、ソフトバンクグループ6.0%、東京エレクトロン4.3%がウエイトの高い上位3社で、これにファナック、ダイキン、エムスリー、KDDI、テルモ、信越化学と続く。
次のサイト(日経のサイトではない)に詳細がある。https://nikkei225jp.com/nikkei/
以上の9社がウエイト2%以上の企業であり、これだけで日経平均株価の38.2%を占める。つまり、225社のうちの9社が値上がりするかどうかによって、日経平均株価の運命が決まりかねない。とはいえ、これらの企業の生きがずっといいものだから、この12年間、TOPIXよりも値上がり率が高かったのである。
サラリーマンを本業とする個人投資家への結論として、1つ言えるのは、株式投資をするには企業を選ばないといけないことである。上場企業であれば何でもいいわけでない。息絶え絶えの企業もあれば、立派な企業もある。とくに変化の激しい時代だから、企業を選ぶことが絶対条件となる。
もう1つは、今日明日の儲けを狙ってはいけない。短期投資は駄目である。この点は以前に書いたから、繰り返さない。さらに言うと、今日明日の儲けを狙うための信用取引に手を出してはいけない。それこそ小原庄助さんになる。
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- 2020年11月08日 08:27