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政治を科学に優先させる愚行・・トランプ大統領と小池都知事

 アメリカ大統領選は接戦で、集計に手間取り、まだ結果が出ない。トランプ苦戦の最大の理由は、新型コロナウイルス対策の失敗である。11月6日時点で、アメリカの感染者は973万人、死者は23万人を超えている。                     

 10月2日にトランプ大統領夫妻も感染が判明した。トランプ大統領、その家族や側近は狭い部屋での会合でも誰もマスクを装着していなかったというし、ホワイトハウスでの式典でも間隔を開けずに密集状態で座っていた。これでは感染しても仕方がない。

 マスクを着用しない、距離を置いて密集状態を避けるという基本的感染防止対策を講じていなかったことが、ホワイトハウスでの集団感染という結果になったのは明白である。

 10月4日発表のロイターの世論調査によれば、アメリカ人の65%が「トランプ大統領がコロナの問題をもっと真剣に受け止めていれば感染しなかった」と考えており、57%がトランプ政権のコロナ対策を「評価しない」と述べている。

 アメリカにとどまらず、ヨーロッパ諸国でも、実は、マスクが政治的シンボルになってしまっている。ネオナチなどの右翼の人々がマスク着用や様々な規制に反対して、反政府デモを繰り返している。そのような集会そのものが感染を拡大させているのであるが、感染症への対応は科学を基づいておこなうべきであり、政治的イデオロギーで左右されるべきではない。政治を科学に優先させたのが、ナチスであった。

 規制反対には、もちろん経済的な理由もある。感染が再拡大しているフランスでは、パリやマルセイユなどの大都市でバーやレストランの営業停止や営業時間の短縮などの措置が実施され、そのために困った経営者たちが不満の声をあげている。感染防止と経済とのバランスを上手くとるのは容易ではない。しかし、世界でコロナ感染者は4932万人、死者は124万人を超え、終息にはほど遠い状況である。

 大衆民主主義の時代、とくにポピュリズムの時代には、大衆の支持を得るために、科学に反することすら平気で詭弁で押し通す指導者が出てくる。右寄りの保守層に支持されているトランプ大統領は、マスク着用などの感染防止対策を講じないことを選挙戦略に使ってきた。その結果が、自らの感染、そしてホワイトハウスでのクラスター発生だったのである。

 必要な感染防止対策を実行することよりも、政治的パフォーマンスで支持率を上げようとしている点では、小池都知事もトランプ大統領と同じである。東京都も、コロナ感染者が11月6日は242人、7日には294人と終息にはほど遠い状況である。

 トランプ大統領や小池都知事のように、科学を無視して政治的パフォーマンスで人気を博すようなリーダーでは、国民や都民の生命と財産は守れない。有権者は目を覚ますべきだ。

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