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【米大統領選2020】 勝者はいつ分かるのか

米大統領選の投開票日は11月3日だった。そして、日本時間7日午前現在、勝者は確定していない。しかし、ある程度の見当はついているのだろうか。

ということは、だから、誰が大統領に?

まだ断定できない。ドナルド・トランプ大統領も、ジョー・バイデン前副大統領も、勝利を宣言できるだけの票をまだ確保していないからだ。

投票は終わっているが、開票作業はまだ続いている。

通常は「Election Day(選挙の日)」と呼ばれるものが、今回はパンデミック対策で期日前投票や郵便投票の増大によって「Election Week(選挙の週)」になると前もって言われていたが、確かにその通りになった。

Reuters

期日前投票だけで1億人が投票した。投票率は66%以上という記録的なレベルになるとみられている。

開票所の中でも様々な感染対策が必要な状態で、投票数が増大し、特に開封から集計まで手続きが多い郵便投票が一気に増えた。投開票に関する規則は、州ごとに異なる。そうした状況で、接戦になればなかなか大勢が判明しないのは、あらかじめ分かっていたことだった。

また、以前から郵便投票は不正につながると根拠なく主張し、支持者に郵便投票をしないよう呼びかけていたトランプ氏に対し、バイデン氏は感染対策として郵便投票や期日前投票を活用するよう促していた。そのため、郵便投票はバイデン票に傾くだろうと、これも前もって言われていた。

単純な得票数ではバイデン氏が多いのでは?

それはその通り。今のところバイデン氏は全国で400万票以上、トランプ氏にリードしているとみられる。

しかし、アメリカの大統領はそれでは決まらない。

そうではなく、アメリカの大統領になるには、全米50州にそれぞれ割り振られた「選挙人」の過半数を獲得しなくてはならない。州ごとの選挙人の数は主に人口比に沿って割り振られる。1つの州で勝った候補が、その州が持つ選挙人をすべて獲得する(通常は。ただしネブラスカ州とメイン州は、独自の複雑な配分方式をとっている)。

選挙人の総数は538人。そのため、大統領に当選するには選挙人270人以上が必要だ。

では今は何を待っているのか

日本時間7日午前現在、バイデン氏は253人の選挙人を獲得している。トランプ氏は214人だ。両氏が目標の270人に到達するには、道筋はいくつかある。

勝者が予想されていない残りの州のうち、バイデン氏はペンシルヴェニア州(選挙人20人)を獲得すれば、それで十分だ。「270」のラインは超える。ジョージア州(同16人)、ネヴァダ州(同6人)、アリゾナ州(同11人)、ノースカロライナ州(同15人)のうち2州で勝つ見通しとなっても、270人に達する。

一方のトランプ氏は、ペンシルヴェニア州は落とせない。それに加えて、ジョージア、ネヴァダ、アリゾナ、ノースカロライナのうち3州で勝たなくてはならない。

では、注目の4州の状況はどうなっているのか。

  • ジョージア(選挙人16人):この州は1992年以来、共和党基盤だった。開票当初は、投票所で投じられた票の開票が進んだため、トランプ氏が大幅にリードした。しかし、郵便投票の開票が進むと、バイデン氏が追いつき、逆転した。ただし、差は数千票にとどまっているため、州は再集計すると発表した。
  • ペンシルヴェニア(同20人):ここでも開票当初はトランプ氏がリードしていたが、郵便投票の開票が進むにつれてバイデン氏が追いつき、日本時間6日深夜に逆転した。同7日午前現在では、開票率96%で約2万1000票以上の差に広がっている。
  • ネヴァダ州(同6人):バイデン氏が優勢で、開票が残る票の多くは民主党よりのクラーク郡のもの。
  • アリゾナ州(同11人):従来は共和党基盤の同州は、一部の米メディアが早くからバイデン氏優勢と判定したが、差は狭まりつつある。州人口の6割が集中するマリコパ郡で、トランプ氏が健闘している。

今後の展望は

トランプ氏は開票結果など各地の手続きに異議を唱え、複数の州で提訴している。

しかし、すでに裁判所に棄却されたものもあるほか、たとえ訴えが認められても影響する票数はそれほど大きくないのではないかと言われている。

例外はペンシルヴェニア州で、3日の投開票日以降に3日の消印で届いた郵便投票を受理するかどうかについて、連邦最高裁は選挙前には容認したものの、選挙後に再検討する可能性がある。最高裁には、トランプ氏が指名した保守派判事3人がおり、全判事(9人)の構成も保守派6人、リベラル派3人になっている。

世論調査は外れたのか

複数の世論調査は事前には、バイデン氏優勢を伝えていた。これほどの接戦を予想していなかった専門家も大勢いる。

BBCのロバート・カフ統計主任は、世論調査が大はずれだったと結論するのはまだ早いという。投票日直前の世論調査の全国平均では、バイデン氏のリードは8ポイントだった。激戦州ではもっと僅差だった。

いまのところ、バイデン氏の全国的な得票率は、トランプ氏を約3ポイント上回っている。

組織を信用せず、マスコミや調査会社による世論調査に参加するのを嫌う人たちに、トランプ氏の支持者が多いのではないかという専門家の意見もある。

個々の有権者にとって大事な課題の優先順位について、多少の読み違いもあったかもしれない。新型コロナウイルスのパンデミックが最も注目されていたが、エディソン・ロイター社の調査では、3割以上の回答者が経済を最優先課題と答えた。トランプ氏のメッセージの中心テーマも、経済だった。

トランプ氏の支持層も、人種や性別などの面で、思われているより多様だったもようだ。

(英語記事 US election 2020: Who is ahead in the states still counting?

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