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増える“生け贄” 殴る蹴るの暴行で血祭りに…新宿歌舞伎町“スカウト狩り” 異常事態はなぜ起きた? - 「週刊文春」編集部

 コロナ禍で客もまばらな新宿・歌舞伎町で、血みどろの抗争劇が勃発していた。

【画像】抗争の舞台となった新宿・歌舞伎町

 警視庁組織犯罪対策四課は10月28日、暴力行為等処罰法違反などの疑いで、指定暴力団住吉会の四次団体「賢総業」の吉川八代隆容疑者(49)ら2人、住吉会四次団体「聡仁組」の森岡英治容疑者(31)ら2人、スカウトグループ「ナチュラル」を率いる西田寛昭容疑者(35)ら三兄弟を逮捕した。容疑は6月4日夜、歌舞伎町の区役所通りで自転車までが武器として飛び交った大乱闘。発端は、スカウト業界で御法度とされる別グループのスカウトの引き抜きだったという。

警視庁は防犯カメラを徹底分析していた ©共同通信社

 警視庁担当記者の解説。

「女性を『夜の街』に引き込むスカウトは、手配した女性の稼ぎの数%が毎月入るという実入りのいい契約です。スカウトは通常5人程度でグループを作りますが、『木山兄弟』の異名で知られる西田容疑者らはスカウト数百人を率いる大グループ。バックには、もともとは賢総業がついていました。一方、引き抜かれたグループのバックは聡仁組。当初は同じ住吉会系の2つの組で話を付けようとしたのです」

 ところが、ナチュラルの西田容疑者ら兄弟は揃って、身長190センチ、体重100キロというヤクザ顔負けの“武闘派”。「引き抜いたスカウトは譲らない」と手打ちを拒否したのだ。どちらの組にも盾突いた結果、住吉会のメンツが丸つぶれとなってしまう。

「今度は『住吉会対ナチュラル』の構図となりました。6.4の大乱闘はその一場面に過ぎません」(同前)

無関係のスカウトまで巻き込む異常事態へ

 以降、西田容疑者らが姿をくらます一方、住吉会系の2つの組は追い討ちをかけるかのように、歌舞伎町で「スカウト狩り」を始めた。殴る蹴るの暴行を重ね、血祭りに上げられる“生け贄”の数も増えていく。

 騒動に巻き込まれたスカウトの男性は「ナチュラルに関係ないスカウトまで全部目の敵にされてボコられた。当時は一般人の振りをして見つからないようにしていた」と周囲を何度も確認しながら小声で話した。

 無関係のスカウトまで巻き込む異常事態。背景には住吉会の内部抗争があるという説もある。

「賢総業も聡仁組も住吉会二次団体の幸平一家の有力傘下組織。幸平の加藤英幸総長は高齢で、誰が跡目を担うのかについては決着が付いていない。より多くのスカウトを狩った方が次世代争いで有利になると下っ端が考えて競争が激化したようだ」(暴力団関係者)

 今回の抗争で組織力や資金力に長けたスカウト軍団の実態も明るみに出た。捜査関係者は「こうしたケンカでどちらかの肩を持つことはない。粛々と全容解明を進める」と語る。歌舞伎町のスカウト狩りは今、沈静化しているという。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年11月12日号)

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