- 2020年11月06日 15:18 (配信日時 11月06日 11:15)
菅首相の人生相談「金銭感覚が違うからと結婚を諦めるのはもったいない」
1/2自分とあまりにも金銭感覚が違う相手との結婚はあきらめるべきなのか。菅義偉首相は、「結婚生活という人生の長期戦略について、忌憚なく話し合うことができるかどうかがポイントだ」という――。
※本稿は、別冊プレジデントムック『第99代総理大臣 菅義偉の人生相談』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

「結婚後に切り替えができるか」の見極めが大事
菅義偉です。さて、今回のお悩みです。
彼女と金銭感覚が合いません。僕はデートのときでも食事は手軽に済ませたいのですが、彼女は「せっかくのデートなんだからもっといいお店に行きたい」と言います。僕だって誕生日やクリスマスはそれなりにいい店を予約しており、デートでも「日常」の食事は簡単でいいじゃないかと思うのですが……。
彼女とは結婚も考えているのですが、金遣いに関しては不安だらけ。「結婚したらお金を自由に使えないんだから、今は好きにやりたい」というのが彼女の考えです。でも僕は今から貯金すべきだと思っています。これでは結婚生活は難しいでしょうか。(20代男性・学生・静岡県)
金銭感覚は人生観を反映するといいます。「ここまで金銭感覚が違うのなら、人生観もきっと違うのだろう。まだ学生なのだし、今後いろいろな出会いもあるだろうから、今の彼女にこだわる必要はないのでは」という答えが一番シンプルかもしれません。
しかし、あなたは彼女との結婚を真剣に考えているからこそ、こうして相談してこられている。それだけ彼女を大事に思い、ともに歩んでいきたいとお考えなのでしょう。お悩みをどう乗り越えていけばいいか、一緒に考えてみましょう。
確かに現時点では、金銭感覚にやや隔たりがあるようです。お金にルーズな人は、たいていの場合いつまでもルーズなままです。ただ彼女の場合、「結婚後はそれまでのように自由にお金を使えない」との考えはお持ちとのこと。彼女が結婚後に、その言葉通りの切り替えができるかどうか。その見極めが重要です。
人生という「共同事業」の長期戦略を話し合ってみる
現時点で、趣味などへの投資は惜しまなくても、それ以外の無駄な出費は抑えているというようなメリハリがつけられているのであれば、結婚後の切り替えもできると判断していいはずです。

そもそも、結婚を「めでたくゴールイン」と表現する人がいますが、私は結婚自体はゴールでも最終目的地でもないと思っています。二人にとっては、結婚に至るプロセスも、また結婚後の人生設計も、どちらも同じくらい大事なものです。これらの時間も含め、今後の二人の長い人生という「共同事業」の長期戦略を話し合ってみることが大事なのではないでしょうか。
長期戦略というからには、家族計画、趣味、仕事などあらゆる要素をいったん議論のテーブルに載せて、忌憚なく話し合う必要があります。その過程で、お互いの人生観についても理解が深まるでしょうし、あなたが気になっている金銭感覚についても彼女の真意を見極めて、二人が納得できる形で解決できるかもしれません。
結婚が具体的に近づいてきた段階になれば、家賃などの固定費、食費や交際費、趣味への出費などを具体的にあげて、結婚生活の資金を可視化していくことも、金銭感覚の「すり合わせ」をするうえで有益かもしれません。
例えば携帯電話料金。結婚すれば、家庭内で最低でも2台の携帯電話を持つことになりますが、このような生活のうえで絶対に必要になるコストについてのお互いの価値観もある程度すり合わせておく必要があるでしょう。家族割引を活用するのか、格安スマホに乗り換えるのかなど、携帯電話一つとってもそれぞれの考え方は違うはずです。
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