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なぜ『バチェロレッテ・ジャパン』の結末は分断を生むのか

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ここ数週間でSNSに狂乱の渦を巻き起こしていた恋愛リアリティーショー『バチェロレッテ・ジャパン』がついに先週末、終幕を迎えた。

その結末、つまりヒロインの福田萌子さんの下した「決断」について、感動している人がいれば、モヤモヤしている人もいる。

個人的には「モヤモヤ」派だが、今回はこの「萌子の決断に感動している人」と「モヤモヤしている人」と分断について考えてみたいと思う。

以下、完全にネタバレでつづっていくのでご注意。

真っ直ぐな物言い&自分にウソをつかない決断 女性を味方につけていった強い女・萌子


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ハイスペ男子が20数人の女性陣と旅を共にし、最終的にたった1人の妻候補を選びぬくまでを追いかける恋愛リアリティーショー『バチェラー・ジャパン』。

その女性版である『バチェロレッテ』の第1弾である今回は、本当にバチェロレッテのキャスティングに恵まれたシリーズだった。今作は萌子さんの属人的な魅力で引っ張っていったようなものだと思う。

全17人の男性陣と真剣に向き合い、対話し、残す(落とす)男性陣を決めていく。萌子は疑問に思ったことは男性に率直に尋ね、空気に飲まれて判断をにごすこともない。しかし、かといって、男性陣への優しさにもあふれ、ときに相手の成長するきっかけさえ促す。

これまでの『バチェラー・ジャパン』は、どうしても男性の個人的な「好み」に左右されて、不可解に見える判断がくだされる場面も少なくはなかった。「まじかよ!? どう見てもこの子は残すべきでしょ(落とすべきでしょ)」「最初からこの子がタイプで、この子を最後まで残すって決まっていたのでは?」というツッコミどころもあった。

ただ、そうした第三者の預かり知らない嗜好性、いわゆる「惚れた弱み」というやつが恋愛につきものであり、第三者がとやかくいってもしかたないのである。そして、そのツッコミどころも含めて『バチェラー・ジャパン』の面白みなのだと思っていた。

しかし、今回の『バチェロレッテ』によって、ぼくらはまた別の楽しみ方があることを身をもって味わう。萌子の決断には、「ああ、やっぱりこの男は残るのね(落ちるのね)」という「納得感」があり、その「納得感」がある種の「心地よさ」を伴っていた。

SNSを観察していると、今回の『バチェロレッテ』は、回を追うごとに番組のファンというより前に、「萌子ファン」「萌子推し」と呼べる層が、雪だるま式に増えていったような感覚がある。

そのような「萌子推し」の人々からすれば、彼女の最後の決断、つまり悩みに悩んだ末に、誰も選ばないという答えは、支持するほかないものとなる。それはこれまでのエピソードで形成された、「空気に流されず、自己決定、自己決断をする女性」という萌子像をより一層強くするものだからだ。

“コンテンツ”として観ていれば「何じゃそれ」

一方で、「モヤモヤしている層」がいるというのもたしかだ。

ぼくをはじめとする「モヤモヤ」している層は、おそらおく、この番組を「恋愛リアリティーショー」という「コンテンツ」として楽しんでいるのだ。

毎回出場者が脱落していき、最後に残った2人から、ついに生涯の伴侶候補が選ばれる…ーーよくよく考えてみたら、1エピソード約1時間ほど、赤の他人の惚れた腫れたに一定の興味をもちつづけられるのは、最後に待っているこの「オール・オア・ナッシング」のシステムの賜物だ。その総決算として、「さあ、いよいよ、最後の1人が決まる」というのが最終回の関心事だったはず。

そのように、「コンテンツ」として(あえていえば)「正統」な見方をしてきた人たちからすれば、その結末で「結局誰も選びませんでした」は、吉本新喜劇並にずっこけたくなる展開であるし、「なんじゃそれ」なのだ。

ちなみに、萌子さんには“前科”がある。ファイナルの2つ前のエピソードでは、ある2人の男性参加者のうち、1人を落とさなければならない、という場面が発生する。視聴者らは固唾を呑んで、どちらが落とされるのかを見守っていたが、ここでも萌子は「選べない」として落とすこと自体を拒絶。『バチェラー・ジャパン』も含めて、まさに前代未聞の展開だった。

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