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アングル:「ブルーウェーブ」幻に、米大統領選後に政治膠着化も


[ニューヨーク/ロンドン 4日 ロイター] - 米大統領選挙が予想外の接戦にもつれこむ中、市場では大規模な追加コロナウイルス経済対策への期待が剥落し、政治のグリッドロック(膠着状態)を懸念する声が強まっている。

市場では、当初「ブルーウェーブ(民主党の圧勝)」を見越して活発化した「リフレトレード」が下火となり、先行きの不透明感を警戒した「質への逃避」が見られる。

Tロウ・プライスのアナリスト、ケイティー・ディール氏は「過去数日間、民主党の圧勝を信じてきた市場だったが、ここにきて政治の分断が起こる可能性が高まっており、来年の財政政策を取り巻く環境が一変した」と指摘した。

大統領選と同時に実施された上院選は、民主党の過半数獲得が厳しい情勢になっており、仮にバイデン候補が大統領に当選しても、市場が求める大規模な財政出動は期待できないとの声が根強い。

4日の市場では、ドル高、株高、債券高のトリプル高となった。キャピタルゲイン税の増税や規制強化など、民主党が掲げる政策の実現が困難になったとの見方からハイテク株が急騰。ナスダック総合指数<.IXIC>は4%強値上がりした。

株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>は低下したものの、依然として高止まりが続く。

ドルは対ユーロ<EUR=>で一時3カ月ぶりの高値を付けたほか、米10年債利回り<US10YT=RR>が低下した。

<「ブルーウェーブ」は幻に>

市場は過去数週間、追加のコロナ経済対策の行方に注目。バイデン氏が勝利し、民主党が上院を制覇する「ブルーウェーブ」が起これば、大規模な経済対策が打ち出されるとの期待が高まっていた。

ソシエテ・ジェネラルのアナリストは、「財政刺激策への道筋が消え失せ、昨日まであれほど鮮明だったリフレトレードが解消に向かっている」と述べた。

INGのシニア金利ストラテジスト、アントワーヌ・ブーベ氏は「大統領選で誰が勝利しても、議会は分裂したままだ」とし、「選挙前に織り込まれていたリフレトレードを巻き戻すことが正当化される」とした。

一部の投資家は、トランプ氏が勝利すれば、民主党の政策である増税が回避され、株式市場にとって最良のシナリオとみる。JPモルガンは先月、トランプ氏が大統領選で「順当に勝利」した場合、S&P総合500種指数<.SPX>は足元の3400ポイント台から3900ポイントに上昇する見込みで、そうしたシナリオが株式市場にとって最も望ましいとの見方を示していた。

ナタリアンス・セキュリティーズの国際債券部長、アンドリュー・ブレナー氏は、共和党が上院で引き続き過半数を握る可能性が高まったことで、キャピタルゲイン増税の可能性は低下し、ハイテク株の値上がりが見込まれるとした。

トランプ氏は2016年の大統領就任以降、法人税減税を実施して株式市場を支援。ただ対中貿易関税などの措置も打ち出し、市場のボラティリティーは高まった。米株式相場は57%値上がりした。

市場では、大統領選が過度の接戦となり、勝者を巡る争いに発展することが最も懸念されている。

プライム・パートナーズ(スイス)のフランソワ・サバリ最高投資責任者(CIO)は「いずれの候補が勝利しても構わないが、選挙結果を巡って法的な問題や深刻な政情不安が起こることだけは避けたい」と述べた。

(David Randall、Tom Arnold記者)

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