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けっきょく非米国人が好きな米国は、民主党の米国だと思う

米国大統領選挙は、現職のオバマ候補と対抗馬ロムニー候補の支持率が拮抗しています。

そうすると、実質現職の強みで若干オバマ氏が有利ですかね。オバマ氏のほうが激戦州では強いという話もありますし、カリフォルニア州、ニューヨーク州など選挙人の多い州をおさえているのが強みです。もっとも米国で2番目に選挙人の多いテキサス州はロムニー氏が取ります。

ニューヨーク州はガチガチの民主党の牙城、テキサスは、共和党がおさえています。カリフォルニアは、クリントン以降は民主党が大統領選挙では優勢です。かつてロナルド・レーガンがカリフォルニア州知事だった関係もあり、80年代の選挙は共和党がとっていましたが、最近は民主党が勝っています。このブログでも取り上げたことのあるジェリー・ブラウン現知事は民主党の知事で、76年の選挙では有力な民主党候補でした。彼は75年~83年の間もカリフォルニア州知事でした。その前の67年~75年はレーガンが知事、そのまた前の59年~68年は、現ブラウン知事の父親であるパット・ブラウンが知事でした。そう考えるとアル・ゴアといいジョージ・ウォーカー・ブッシュといい、米国も二代目(以降)の国なのかなという気もします。むろんブッシュとか安倍晋三(こいつは米国の政治家ではないけどね)みたいな論外の馬鹿でクズな連中とちがい、ゴアやジェリー・ブラウンは非常に優秀ですが。

その後のカリフォルニア州知事の動向を見ると、ブラウン退任後の83年~91年は共和党のジョージ・デュークメジアン(彼は名前で分かるように、アルメニア系です)、91年~99年が共和党のピート・ウィルソン、99年には実に16年ぶりに民主党のグレイ・デイヴィスが政権を奪還しましたが、リコールにあい2003年までで退任、アーノルド・シュワルツェネガーが共和党知事に就任、2011年に民主党のブラウンが、共和党のメグ・ホイットマンを破り再度の知事に就任しました。

ついでながらリコールされたデイヴィスは、ジェリー・ブラウンの側近をつとめ、共和党時代のピート・ウィルソンのもとでカリフォルニア州副知事をしていたくらい優秀な人間なのですが、なかなか世の中うまくいかないものです。ジェリー・ブラウンもシュワルツェネガー知事時代の07年から11年までカリフォルニア州の司法長官をしていました。

カリフォルニア州は、ジェリー・ブラウン以降は共和党知事が連戦連勝ですが、ブラウン知事時代からの大統領選挙における選挙人獲得を見ると

76年:民主党
80年:共和党
84年:共和党
88年:共和党
92年:民主党
96年:民主党
00年:民主党
04年:民主党
08年:民主党

です。

レーガンが候補者である80年、84年の選挙が共和党勝利なのは当然として、その後は大統領選挙にかんしてはほぼ民主党がおさえているようですね。

さて私、ちょっと米国大統領選挙における民主・共和両党の候補者の得票率を調べてみることにしました。大統領選挙におけるテレビ討論がはじまった1960年から2008年の選挙における勝敗、両党候補の得票率のポイント差をまとめてみたわけです。

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図にも注釈しておいたように、10ポイント以上の差を「大勝」、5ポイント以上10ポイント未満の差を「勝利」、5ポイント未満の差を「僅差の勝利」、総得票数と勝敗が逆の結果になったものを「論外の勝利」としてみました。

結論からいうと、ここ最近の大統領選挙では、「大勝」というのがありません。10ポイント以上の差がついた最後の選挙が84年です。それ以前の選挙は、「大勝」か「僅差」の差でしたが、88年以降の選挙でいうと、選挙自体は両党3勝3敗の互角で、「勝利」4回、「僅差」が1回、「論外」が1回で、これからの選挙は10ポイント以上の差がつきにくくなるのかなと考えます。今度の選挙も、勝ち負けは分かりませんが、おそらく僅差でしょう。

そういうわけで、両党の得票率にあまり差がなかった2000年の選挙と2004年の選挙、そして直近の選挙である2008年の選挙における選挙人獲得の地図をお見せしましょう。出典は、すべてwikipediaの各選挙の記事より。上の私が作成した表でもあわせたように、青が民主党が選挙人を獲得した州、赤が共和党が獲得した州です。

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図を見ていただければだいたいご理解できるように、中西部と南部は共和党が取り、西部や東部の諸州は民主党が強いという図式があります。本土以外の州では、アラスカは共和党、ハワイは民主党が勝っています。

そしてこのような地図を見てつくづく感じるのは、日本人に人気があったりおなじみなところ、知名度の高い州は民主党が強い州だということです。カリフォルニア、ニューヨーク、マサチューセッツ、ハワイ、どこも民主党が強い州です。いまあげた州は、たぶん日本人以外の人たちにとってもおなじみというか「行ってみたい」と思わせる州でしょう。そして、それはたぶん偶然ではないと思います。米国に対する憧れをかきたてる州、先進的な州は、基本的に民主党が強い州なのでしょう。そして、ネブラスカ州とかテキサス州、アラバマ州とかミシシッピ州のような、いかにも保守的というか、人種差別とかもひどそうな州(テキサスは、米国でダントツに死刑執行数の多い州です)は共和党が強い州です。

そう考えると米国の本質はむしろ共和党にありという気もしますが、そして米国の民主党なんてそんなに期待できるようなものではないのかもしれませんが(しれませんがでなく、できないけどね)、世界的に00年の選挙ではゴア、04年はジョン・ケリー、08年はバラク・オバマに世界中が、程度の差はあれ期待感があったように、やはり米国人にとってでなく、非米国人にとっては民主党の米国こそが好きだったり期待をする米国なのでしょう。

たとえば米国では人気の高いロナルド・レーガンて、そんなに米国以外で人気があるわけでもありませんよね。このへんの感覚というか認識の問題なのでしょう。

そう考えると、たしかに民主党の候補と共和党の候補をくらべると、大体において民主党の候補のほうが優秀ですもんね(苦笑)。今回のロムニー氏は非常に優秀な人間ですが、共和党の候補と比較すると、民主党は負けた人でもデュカキスにしてもゴアにしてもケリーにしても、勝ったクリントンもオバマも、共和党の候補より断然優秀な人たちです・・・って、ブッシュ親子なんてのは論外の馬鹿ですが。

ブッシュ親子みたいな連中に、デュカキスとかゴアみたいな人間の資質に大差がある(もちろんデュカキスやゴアのほうがずっと優秀)人たちが負けるんだから、これまたどうかです。選挙なんてそんなものなのでしょう。

日本は、長きにわたって政権与党だった自民党が(かつても中曽根首相がレーガンとの親密さをアピールしていた時代がありましたが)、とくに最近(21世以降、小泉首相が典型)共和党との友好関係をアピールしていましたが(米国側からすれば、日本というのはちょろいものよ、ってとこでしょうね)、白砂青松さんがご指摘のように、むしろ二国間関係という意味では、共和党政権時代のほうが日本はいろいろなことを押し付けられているのではと考えられます。日本の外務省とかの役人がどう考えているのか当方は知りませんが、自民党の政治家の共和党への思い入れというか期待感は興味深いですね。やはり党の性質の親近感みたいなものもあるんですかね? 

ともかくもうすぐ選挙です。結果に注目したいと思います。

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