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原発事故調査の本質を明らかにする

 先週10月28日(日)に松山全日空ホテルで開催した「福島原発事故の教訓~政府の失敗と国家統治~」と題した第24回フォーラム21。

 遠くは県外からも、多くの方がご参集くださり、まず国会原発事故調委員で同委の主査を務められた野村修也・中大院教授から実りある講演を頂戴した後、法案作成、事故調委員長・委員選考等々で共に汗をかいて頂いた遠藤乙彦代議士と三人でじっくりパネルディスカッションを行った。当日お越しくださいました皆様には、改めて御礼申し上げます。また、当日の会の様子をYouTubeにもアップしてありますので、ご覧いただければ幸いです。
http://www.youtube.com/watch?v=IhLeoY6Mdg0
http://www.youtube.com/watch?v=IWkCyWQcm6I

 野村先生の講演の中で改めて印象的だったのは二点ある。一点目は、霞が関が主導する事故調査がいかに偏った前提と結論ありきの調査だったのか、ということ。もう一点は、事故の原因究明と新しい規制体制の発足の中で、いかに霞が関が抵抗のために暗躍しているか、ということだ。

 一点目については、東電社内事故調や政府事故調の調査では、津波の発生時刻の後に電源喪失の時刻が来るという結果を公表していたが、国会事故調が調査し直した結果、津波の到達時刻の方が、電源喪失時刻よりも後だった可能性が高いことが明らかになった事だ。「あれほどの津波は想定できなかったのだから仕方がない」という政府や東電が描いた責任逃れのための「前提」を、中立・独立の国会事故調査委員会が暴いた瞬間だった。

 二点目については、政府の事故調査委員会の委員を務めた当事者から得た証言だが、霞が関からの出向者で占められた政府事故調の事務局が報告書の文章を冒頭から結論まで全て執筆し、委員がどれだけ訂正を迫っても一顧だにされず、そのまま委員会の報告書として公表されてしまったくだりなどが明らかにされた。失敗の当事者たる霞が関が支配した、名ばかりの事故調査・検証の実態だ。

 国会事故調査委員会がもしなかったら、という仮説を立ててみれば、国民は「官製事故調査」しか知りえず、危うく真実が明らかにならないまま、さしたる改善もないまま何事もなかったかのように国の政策が進んで行くところだったことを考えると、国会が独自の独立調査委員会を持つ、と決断したことに、歴史的にも大きな意味があった、と言えるだろう。

 遠藤乙彦議員も、立法府が行政府の追認機関になってしまっている、民意を十分に反映していない行政府の仕組みを立法府が模倣・追従している、現状の構造的な問題を指摘。議院運営委員会の理事としても活躍する彼の鋭い指摘に、議論も更に白熱した。

 しかし、二点目の霞が関の暗躍については、事故調だけではなく、新しい原子力規制体制においても深刻な問題となっている。私が法案制定を主導した原子力規制委員会設置法では、特定の省庁が原子力規制に影響を及ぼしてはならないことを法律に明記し、原子力規制委員会への省庁からの出向にノーリターン・ルールを課すとともに、特に形式上、法改正や予算要求の際の担当官庁となる環境省の影響について、明確に遮断するよう、法文の中だけではなく国会審議の中でも繰り返し確認をしていた。

 だが、先月公表された原子力防災会議の事務局構成を見ると、その多くの部分が環境省との併任ポストとなっている。それらの部局の職員は、環境省の職員を務めながら、原子力規制・防災に携わることになる。環境省は今後除染や放射能がれきの処理で、原子力規制委員会が定める放射線指針等と対立することになるが、環境省の身分でありながら、同時に原子力規制・防災に関わる職員が、今後設定されることになる。

 立法者の意図や法の精神、国会審議で明らかにしたことに堂々と悖る霞が関官僚組織の傍若無人ぶりを、来週以降本格化する国会審議で徹底的に糾弾したい。「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」との憲法第41条の心を何と心得るのか。

 また、野田内閣は昨日正式に、法律が求める原子力規制委員会人事の国会同意の先延ばしを閣議決定。内閣の指揮監督下に置かれない独立行政委員会(3条委員会)である原子力規制員会は、その民主的統制のためには国会同意を得る事を、憲法理念からも必要とされている。

 民主党内の意見対立の表面化を恐れるあまり、憲法違反、法律違反をしてまで民主主義の今回を揺るがせにすることを何とも思わない野田政権には一日も早く退場してもらい、二度と福島第一原発事故のような悲惨な事故を繰り返さない、真に国民を守ることに専念する、厳格な原子力安全規制行政を確立させなければならない。

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