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大阪市廃止~運命の日①~

 大阪都構想に対して、二度目の民意が示された。市民は大阪市存続の結論を出した。

 大阪市存続を主張し続け前回の住民投票以来活動をしてきた一市民として、市民が出した結論を有難く受け止めている。投票率も前回ほどではないにしても、62.35%でコロナ禍にあって非常に高い。反対692996票・賛成675829票、その差わずかに17167票という賛否拮抗の結果で、9月初旬に住民投票の実施が確定した時に多くが想像した「大阪市がなくなる」現実は回避された。

 正直、喜びという感覚はない。安堵という言葉の方が近いように思う。各政党が主軸となって住民投票活動を展開し、マスコミにもその模様が報じられてきたが、政党間の争いという意味においては「勝者無き戦い」の結果であると考えている。大阪市存続を願い「自分達には一体何ができるのか」と自主的に様々な活動を展開してきた無党派市民の卓越した活動が際立っていたのではないかと感じる。

活動の手法は、それぞれでバラバラではあったし、全体として目立った活動になったわけではないものの、実働のパワーときめ細やかな発信は目を見張るものがあった。投票結果として、政党支持なしの無党派層において反対側が上回っていることが一つの結果として表れている。大阪市存続を求めた市民の勝利だ。

 一方、安堵してゆっくり構えてはいられない。この10年間、「大阪市がなくなるかもしれない」前提の中で、地に足着いた未来の絵姿を十分に描けない状態が続いてきた。制度論に力を傾注し、寄り道をしていた遅れを取り戻さなければならないという焦りがある。

 インバウンド効果に軸足をおいた観光関連産業の一本足打法ではなく、大阪市独自のものづくりや売りづくりといった中小企業の支援で地場の裾野を広げていかなければならない。コロナ禍を受けて、アフターコロナの新時代を教育や福祉にも重点をおき再構築をしていかなければならない。南海トラフ巨大地震に対する備えも必要だ。

 対立と分断を生んだ住民投票およびその経過を無駄だったと評する向きもあるが、「無」にしてはならない。市民の中で自らの街のことを真剣に考える機会は有益であったと考えるし、広く市民が悩み考え辛い思いをした2度の住民投票を無駄にしてはならない。寧ろ、ここからの学びを大阪の未来につなげていかなければならない。

 大阪市は、大阪のみならず関西にとっても、日本にとっても必要であると強く思う。ただ、言うまでもなく大阪市が万能であるわけでもない。変えるべきものを時代とともに変えていきつつ、力強い頼れる都市として、市民に守られた「大阪市」に今度は広く市民をしっかり守ってもらいたい。

 大阪市、ありがとう!

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