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「中国で一番有名な日本人」加藤嘉一氏の経歴詐称疑惑について2

 今日は前に書いた(「中国で一番有名な日本人」加藤嘉一氏の経歴詐称疑惑について)の続きです。『中国青年報』が「中国式造假需要加藤式救赎」という興味深い記事を掲載していたので、まずはこちらの紹介から。

1 記事の紹介

 最初にいつもの通り記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。

 日本の報道によると10月31日に発売された『週刊文春』に加藤嘉一の経歴偽造に関する記事が掲載された。又記事では、「中国で日本の悪口を言って、日本で中国の悪口を言う」と批判されていた。

 加藤はかつて「東大に合格したが、自ら辞退した」と述べたことに対し、嫌疑がかけられ、加藤の当時のクラス担任は、彼が東大に受かったことがないことを明らかにした。

  同日、加藤嘉一は、日本のオフィシャルサイトと中国人の主流ミニブログで謝罪した。これは、タイムリーではないとは言えないし、態度も誠意がないとは言えない。

 加藤嘉一は中国向けのミニブログで、「誤解と困惑を与えたことに対して深くおわびし、自分の幼稚、未熟、傲慢、無知を懺悔し、これらを改善して、信頼できる人間になる」としている。

 加藤は間違いを犯して、自己の犯した誤りに対し、代価を支払わなくてはならない。しかし、同時に中国メディアも考えるべきことがある。加藤は中国メディアにより人気が出たわけで、「中国製」とも言える。

 当然、加藤が学歴を詐称したからと言って、彼を全面的に否定すべきではなく、彼の多くの言論の価値は大きい。少なくとも、こうした迅速な謝罪は、学ぶに値する。

 中国で偽造が発見された後、どうなるか?殆どわけのわからない状態となり、加藤嘉一の様に、ただちに誤りを認めて謝罪するということは殆どない。

 中国では、多くのところで、ニセモノ摘発に苦労しており、偽造者の鉄面皮ぶりが目立つ。ニセモノが摘発されても、摘発者に逆ギレしたり、報復を企てる者もいる。

 偽造集団や、政府までいろいろ関与しており、ニセモノ撲滅はなかなか難しいのが現状で、中国はいろいろおかしなことになっている。

 加藤嘉一の心からの陳謝は、日本特有の社会環境がそうさせたのかもしれない。しかし私達は彼の誠意を無視することはできない。加藤は私達に何を教えてくれたか?

 若者は未成熟で、ほらを言うことがよくあり、珍しいことではない。特に現在のように皆、上を目指す社会では、激烈な競争、学歴崇拝の中で、若者の履歴には厳しすぎる完璧さが求められ、偽造を選択する者も出てくる。

 しかし若者、エリートは積極的に中国式偽造問題の解決に努力すべきだ。特にかつて偽造をした者でも、過ちを悔い改めれば生まれ変わらせる責任がある。加藤嘉一はこの方面で模範となる。

 間違いがあればこれを改め、間違いを知ればこれを糾し、誠心誠意謝罪し、社会の社会の理解を得る。これが唯一の道だ。

2 中国のニセモノ

 本当何度か書いておりますように中国のニセモノは本当に酷い有様です(中国で、ニセモノが蔓延る理由)。記事にあるように、実際中国でニセモノが後を絶たないのは、法制度の不備や、摘発されても結局ウヤムヤになってしまうことが良くあるためというのは間違いないかと思います。

 取り締まる公安が金儲けのために、こうしたニセモノブローカーと手を組んでいるというは良くある話のようで、私もニセモノのDVDを売っているところで、警官が店の主人と店内で談笑しているのを見たことがあります。

 また、ロジックが如何にも中国的な感じの記事となっております。自己の非を認めて、過ちを糾すとうのは、どことなく文化大革命時代の「自己批判」を思い起こさせるところがあるな等と思いながら読んでおりました。

3 加藤嘉一氏について

 確かに加藤氏の「東大云々」の発言は勢いでいってしまったというか、話を面白くするために言ってしまったようなところがあり、相手を騙そうとしたという感じはさほどしません。

 むろんだったら嘘を言っても良いという話ではなく、話を面白くするために、こうして話を盛る、話を誇張するということは、本来あってはならないことで、そうしたことをしたために、彼を信用できなち思っている者が多いことも事実かと考えます。

 ただ、マスコミなどでもてはやされるのは、面白い話であり、極端な話なので、そういうことをしたいという気持ちもわからないではありません。

 かく言う私もブログを書いているわけで、論文などを書く時に比べると、出典の記載もあまければ、訳語の確認も怠っており、抑えてはおりますが、かなり好き勝手に書いている面はあります。

 そして、人気を出すためにより過激な話を書こうという気持ちになることがないわけでもないので、その点では多少同情的です。例えば、ブログのアクセス数というのはどうしても気になるもので、本当、こうしたところは自分で経験して初めてわかったところです。

 彼の欠点は、学術的でもなければ、経験に裏打ちされたものがないことと思っております。圧倒的な知識量で相手を圧倒するか、他人が経験したこともないことを見せつければ、読者は感心するしかありません。

 日本社会について書いたものはかなりひどい有様で(「中国で一番有名な日本人」加藤嘉一氏の提案に対する疑問)、彼の場合はそれが、中国でも経験だったのでしょうが、中国に滞在したことのある者からすると違和感があり、それが結果として、いわゆる中国ウオッチャーと呼ばれる方々から、いろいろ批判の声が上がった原因と思っております。

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