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雇用を守るために

 新型コロナウイルスの感染が拡大し緊急事態宣言下にあった4~5月頃、企業の資金繰り支援のため各金融機関は休日返上で申請や相談に応じていました。政府系金融機関の支店長を務める私の友人も、最前線で陣頭指揮をとっていました。半年前の激動の日々を振り返って、彼はしみじみと述懐しました。

「事業主の皆さんが金融支援を求める理由は、従業員の雇用を守るためが圧倒的に多かったんです。長年にわたり金融業務に携わってきましたが、改めて日本の中小企業経営者の責任感の強さに感動しました」と。

 このように社員やバイトの暮らしを守るため、歯をくいしばって頑張っている経営者が多数います。一方、コロナ禍が長引いてきたことにより、雇用を守る力が尽きてきた企業も増え始めています。最新の発表である8月の完全失業率は3.0%と3年3か月ぶりに3%台となり、完全失業者数は200万人を超えました。8月の有効求人倍率も1.04倍と6年7か月ぶりの低水準でした。

 自助が困難である以上、公助の出番です。「雇用調整助成金」(経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業等を行い、労働者の雇用維持を図った場合に、休業手当相当額を助成する)の特例措置は、野党の要求により12月末まで延長となりましたが、再延長を検討すべきでしょう。

 また、使い勝手の悪い公助は至急改善すべきです。例えば、7月からスタートした新型コロナウイルス感染症対策「休業給付金・支援金」。企業から休業手当を支給されない従業員を支援する制度ですが、5,400億円の予算額なのに290億円程度しか支給決定されていません。

 まず、日々雇用などの従業員が受給するには、労働契約の継続や事業主の協力などが必要でハードルが高すぎです。これにより、実質的には休業なのに受給できていないケースが多くなっています。学生に多いシフト制のアルバイトや派遣などの従業員も、雇用の常態化を証明できれば労働局の判断で受給できるよう制度改正すべきです。

 また、中堅・大企業で働く非正規社員なども休業支援金・給付金の対象から外れています。企業規模の大小に関係なく、全従業員に支援対象を広げるべきです。

 立憲民主党は、以上のように欠陥を改めて休業支援金制度を拡充する議員立法を国会に提出します。

 衆議院議員の任期も1年をきりました。この間に実施される総選挙の主要争点の1つは、コロナ禍への対応とコロナ後社会のあり方でしょう。国民の命、健康、暮らしが脅かされている時だからこそ、投票率の10%アップを実現したいものです。民主主義を守る闘いにご賛同いただけるならば、裏面の署名簿にご記入の上、ご返信いただきますようお願い申し上げます。

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