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混迷深まる米大統領選

 4年に一度の大政治ショーとも言える、アメリカ大統領選の投票日も間近に迫ってきた。最近の世論調査では、共和党のトランプ現大統領に対して、民主党のバイデン氏が7、8ポイントリードしているという。しかし4年前のトランプ対クリントン氏の戦いは、ごく僅かの差で劣勢が伝えられていたトランプ氏に女神が輝いた。20年前のブッシュ氏とゴア氏の対決は、僅差のためフロリダ州をはじめいくつかの州で票の数え直しが行われ、当選者が確定するまで1ヶ月強を要した。

 今回の大統領選挙では、これらの混乱に勝るとも劣らない事態が既に予想されている。

 今回の選挙はコロナ禍の中で行われるため、例年になく郵便投票が多く、既に4000万人に達しているという。全体で1億4000万人が投票すると思われるが、郵便投票はその半分の7000万人に達するかも知れない。

 郵便投票は主に民主党支持者が行う傾向にあり、開票作業が遅れる可能性が高い。一方共和党支持者は直接投票所に足を運ぶ傾向が強く、トランプ氏が優位とされる州が先に結果発表された場合、一方的に勝利宣言する可能性が取り沙汰されている。のちにバイデン氏が優位となっても、あとから開票された郵便投票は不正であるとして、負けを認めないかも知れない。

 その際トランプ陣営は法廷闘争に打って出ることも十分に考えられ、先日連邦最高裁の判事に保守派のエイミー・バレット氏を指名したことは、その布石といっても言い過ぎではない。こうなるとまさに泥仕合の様相となり、超大国アメリカの代表を選ぶ選挙には誠に相応しくないものになる。

 私たちはかつてのアメリカを民主主義の大国だと尊敬して来た。戦後の日本の民主化もGHQの占領をはじめ、アメリカ国民の仕草を真似しながら受け入れて来た。そういうお手本の民主主義が音を立てて崩れていく姿を見るようで、何とも寂しく残念な思いを抱くのは、私一人ではないと思う。

 大統領選挙の結果はどうなるか分からないが、とにかく選挙が公正に行われることを祈るばかりである。そしてもう一度民主主義の大国アメリカが復活し、分断から協調へと流れが変わることを、心から願うばかりである。

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