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「大阪都構想」 どちらが勝ったわけでも負けたわけでもない。

「大阪都構想」をめぐって注目されたのが、前回は「反対」だったのに今回「賛成」に回った公明党だった。
同党大阪府本部代表は、昨夜遅く、維新との共同会見で、「大事なことはしこりを残さないこと・・・」(朝日新聞デジタル)と述べたそうだが、大阪市民にはそのような心配は不要だろう。

アメリカ大統領選で有権者の「分断」を生んでいるとされるのとは違い、大阪の市民には「しこり」を残すような理由はない。
住民投票の票差がほぼ互角となっているのは市民が真っ二つということではない。

むしろそこにあるのは、自分たちが愛する大阪市を「廃止」してよいのかどうかとギリギリまで迷いぬいてようやく出すことができた結論としてのほぼフィフティ・フィフティとなった「賛成」「反対」の数なのではないか。

どちらが勝ったということでも負けたということでもない。
そういった意味では、いまあるのは、大阪市が残ったのでもちろん「ホッとした」という気持ちと、「やれやれ、ようやく終わってくれた」「終わってせいせいした」という安ど感に似た感情ではないだろうか。

大阪市が廃止になることへの不安はあっても、それの積極的意義は信じることはできない状態というものが、市民それぞれにあったにちがいない。
わたしが、大阪市民であったとしても、たぶんそうだったろう。
それほど難しい選択肢だった。

住民投票とは言っても、地方自治法に基づく住民投票はその結果に決定権はないが、今回のは「大都市地域における特別区の設置に関する法律」に基づき、住民投票で多かったほうに決定するものとなっている。

それだけに、デフォルメされた情報や政治の勢いに左右されてはいけない。

政治勢力が政治決戦として勢いに任せてアピールする「政治」に出番を求めるのではなく、「行政」が公正で客観的な資料をとことん市民に提示・説明し、とことん市民の疑問に応えながら投票の日を迎えていくプロセスを持つことが重要だと思ってきた。
もちろん、関与する政治家の人気投票であってはならないことは言うまでもないことだ。

だから、大阪市民の皆さんが、維新が圧勝した市長選挙や知事選挙とは大きく異なる結果を出されたことが素晴らしかったと思う。

そんな中にあって、公明党の動きは好ましいものとは思わない。
目先の政治への影響で、前回の判断とは違う方向に動いたように思える。

「大事なことはしこりを残さないこと」というのは、この期に及んでも党内または支持基盤に対して発せられた言葉のように受け取るのはわたしだけだろうか。

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