記事

関電前の抗議デモで男性を逮捕――いまだに続く身柄拘束に抗議

リンク先を見る

大阪市の関西電力本店前に抗議に集まった人たち=10月12日。(撮影/粟野仁雄)

 盛り上がった反原発運動を萎縮させる目的だろうか。一〇月五日午後七時過ぎ、大阪市北区の関西電力本店前で原発再稼働に抗議するデモに参加していた兵庫県神戸市東灘区の男性(四八歳)が「警備していた天満署の警部補を押し倒して怪我をさせた」とされ、大阪府警に公務執行妨害罪、傷害罪の容疑で逮捕され、身柄拘束されている。男性は「掴み合いになって抱きつくように一緒に転んだ」などと容疑を否認しているという。

 関電の南西側でデモ隊と警備の警官たちが揉み合いになり警部補を含む複数の人が倒れた。「女性に躓いた警官が男性を引っ張って自分が押し倒されたような格好にした」と証言する人も多く、警部補が男性の腕を引いているような動画も配信された。当の女性も「先に倒れていた自分に躓いた警部補が尻もちをついた」と証言した。

 逮捕後も「不当逮捕だ」と天満署前でも抗議活動が行なわれ、抗議団が請願書を出そうとしたが受理されなかった。一二日にも関電前で実施された抗議活動で、大阪府寝屋川市から駆けつけた僧侶の男性は「機動隊員もたくさん来て大勢の人たちを引きずり出したりしていた中で起きた。典型的な『転び公妨』(警備中の警官などが大げさに転倒したりして公務執行妨害を捏造すること)だ」と怒る。

 阪南大学経済学部・下地真樹准教授は「『転び公妨』であることは動画からもわかる。僕らは関電に抗議しており、警察は無関係。彼らは警察手帳も見せず、抗議している市民のエリアの中に入ってきている。僕らに近づかなくては発生のしようもない。警官の職権濫用罪です」と訴える。下地さんたちは警備員らに守られて帰宅する関電社員にも「放射能を出す方が暴力だ」などと抗議した。

 この問題について『産経新聞』は「警部補の体をつかみ、その場で転倒させた」と断定記事にした。書いた記者は見ていたのだろうか。

(粟野仁雄・ジャーナリスト、10月19日号)

あわせて読みたい

「デモ」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    「有事の宰相」としてはふさわしくない菅首相

    舛添要一

    05月16日 08:27

  2. 2

    100円が2070万円に…GⅠ史上最高配当が飛び出した2015年ヴィクトリアマイルの大波乱

    村林建志郎

    05月16日 07:59

  3. 3

    ヒートアップする言論、スルーする回答

    ヒロ

    05月16日 10:41

  4. 4

    「緊急事態でも通勤ラッシュは三密状態」日本人が自粛をしなくなった本当の理由

    PRESIDENT Online

    05月15日 11:42

  5. 5

    結局、政府がやってるのは楽で目立つところだけ。やるべきことはみんな置き去り

    青山まさゆき

    05月16日 08:18

  6. 6

    「日本式の漫画は韓国・中国に惨敗」『ドラゴン桜』のカリスマ編集者が挑む"ある試み"

    PRESIDENT Online

    05月16日 15:26

  7. 7

    できない言い訳ばかりの政府、恐怖煽るマスコミ…情けない日本のコロナ対応に怒り

    青山まさゆき

    05月15日 09:28

  8. 8

    河野太郎氏 自動車の住所変更オンライン手続きに特例創設

    河野太郎

    05月16日 09:22

  9. 9

    検査拡大に橋下氏「無症状者への闇雲な検査をしても感染抑止の効果は出ない」

    橋下徹

    05月15日 10:01

  10. 10

    国会終盤戦は荒れ模様。一部野党の審議拒否連発で、非生産的な国会運営が続く…

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    05月15日 08:35

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。