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『女児の先天性心疾患見過ごし…医院側に賠償判決』

さてと、まだ日中も暖かったりするここ大阪ですが、いかがお過ごしでしょうか。

多くのコメントを頂き、ありがとうございました。

医師の労働環境が改善されることを願っています。

私のようにブログですべてをさらけ出している医師は少ないと思いますが、医師の労働環境の改善のため努力されている先生もおられると思いますし、病院側としても実際に努力しているところもあると思います。

私が以前勤務していた病院はそうでした。当直明けの勤務を休日出勤扱いにして時給単価を上げてくれたり、補助金の一部を医師へ分配したりと、病院側もいろいろと改善を図ってくれていました。しかし、なかなか集まらないのが現実です。

あまり給与のことを書くと叩かれますが、日本の医師の給与は世界からみても低いですし、
時給単価もかなり低いです。そのまま鵜呑みにすることはできませんが、以前ブログで紹介した資料を貼っておきます。
もう情報として古いかもしれませんし、間違っているかもしれませんが参考まで。

 〔 国 名     平均年収(万円)    週労働時間(時間)    時給(円)
アメリカ        3,162           54.3           11,200
イギリス       2,050           50.2          7,854
オランダ       3,886           52.5          14,234
デンマーク     1,246
アイスランド    1,407
オーストリア    2,372            53           8,606
ルクセンブルグ  2,935            55           10,261
スイス       1,648
カナダ       2,131             56         7,317
フランス      1,930            50.6         7,334
フィンランド    1,018            43.6         4,492
チェコ        415        
ハンガリー     375
日本        1,228             70.6         3,344

では、本題へ。

『 女児の先天性心疾患見過ごし…医院側に賠償判決

生後1か月の女児が産院で先天性の心疾患を見過ごされたために死亡したとして、栃木県の両親が東京都江戸川区の産婦人科医院を運営する医療法人に計約5800万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は25日、医院側のミスを認め、請求全額の賠償を命じる判決を言い渡した。

菅野雅之裁判長は「真剣に聴診すれば、心臓の異常に気づくことができたはず」とした上で、「カルテの一部の記載が不自然で、信用性は乏しい」とカルテ改ざんの可能性も指摘 した。
判決によると、母親(36)は2007年9月、同区の「清水産婦人科クリニック」で女児を出産。女児は、退院時健診、1か月健診とも同医院で「異常なし」と診断されたが、 同11月に大量に嘔吐(おうと)した後、急性心不全で亡くなった。解剖の結果、先天的に心臓の弁に異常があったことがわかった。
判決は「遅くとも1か月健診時には心疾患と診断し、治療を受けさせるべきだった」と指摘。適切に診断されていれば、命を救えた可能性が高いと判断した。  (2012年10月25日20時40分 読売新聞)  』
 
 この件に関しては詳細が分からないのでなんとも言えませんが、新生児の心疾患に関しては、かなり気をつかいます。診察をして心雑音があればすぐにエコーをして、疑わしければすぐに専門病院へ紹介して診てもらうようにしていました。私は循環器の専門医ではないので、正確な診断などをつけること出来ない場合もあります。

ただ毎回心雑音のたびに心エコーをしていれば、なんとなくおかしいということが分かる場合も多いです。すぐに紹介をして事なきを得たこともありました(そのときは冷や汗が出ましたが)。もちろんある程度診断がつく場合もあれば、気づかずに見逃していることもあるかもしれません。

私も以前の病院で一度だけ怖い思いをしたことがあります。( 2010.12.14のブログ参照 )
元気に生まれてきて、出生時の診察は問題なし。もちろん心雑音もありません。1ヶ月健診でも体重の増えはまずまずで(+25g/日)で、明らかな異常所見はありませんでしたが、母乳で頑張っておられるお母さんで、少しミルクを足しつつ念のためもう一度体重チェックに来てくださいといって次回の予約を取って帰ってもらいました。

一般的には退院時より +30g/日が良好な体重増加の目安です。実際にはもっと増えている赤ちゃんも多かったりしますが、それはまず問題ありません。母乳だけで頑張っておられるお母さんのなかで、たまにちょっと体重の増えが少なめの赤ちゃんもいます。
普通はまず問題ないのですが、ごくまれに病気が隠れている場合があるので、念のためミルクを足してもらって、体重がちゃんと増えてきてくれるかどうかチェックをしていました。まあ、99%以上は次回来院時にはモリモリ体重も増えて、良かったねとなるんですがこのときばかりは焦りましたね。来てもらうようにしていて良かったと、このときばかり痛切に思ったことはありません。

明らかにハアハア、ゼイゼイの呼吸症状が出ており、お母さんにいつからですかと聞くと2,3日前からと。すぐに心エコーをすると心臓が全体的に拡張している状態でした。明らかに心不全の状態です。大慌てで紹介し、紹介先の病院もさらにナショナルセンターへ搬送となったそうです。もし、体重チェックに来てもらってなければ、いつ自宅で亡くなっていてもおかしくない状態だったと思います。  最終的な診断は拡張型心筋症ということでした。

 自分で症状を訴えることの出来ない赤ちゃんというのは、何が隠れているか分からないので、マメに経過をみることの大切さを身をもって知りました。

 < 菅野雅之裁判長は「真剣に聴診すれば、心臓の異常に気づくことができたはず」   とした上で、

今回の件の詳細は分かりませんが、いずれにせよきちんと医学的な判断ができる第三者機関が早急に必要なのは確かです・・・

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