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井上幹事長の衆院代表質問(要旨)

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質問する井上幹事長=1日 衆院本会議場

公明党の井上義久幹事長は1日、野田佳彦首相の所信表明演説に対し代表質問を行った。要旨は次の通り。

総理、臨時国会は異例の幕開けとなりました。参議院で総理の所信表明演説を拒否されるという前代未聞の事態です。それも先の通常国会で総理の問責決議が可決されたにもかかわらず、あなたが円満な審議ができる環境を整えずに開会を強行した結果であり、憲政史上に重大な汚点を残しました。

衆議院で行った所信表明演説も言葉の羅列で、政権を担う目標も覚悟もうかがえません。総理が訴える「決断する政治」の最初になすべきは、「近いうちに国民に信を問う」約束を実行することであると、まず冒頭に申し上げます。

総理、あなたが就任してから1年2カ月。今回で実に4回の組閣・改造が行われました。民主党自らが言ってきた「1内閣1閣僚」は全くのうそでした。

民主党は野党時代、閣僚が代わるたびに「ポストのたらい回し」と批判してきました。また、総選挙を経ずに3人の総理が誕生したことも徹底的に攻撃してきました。しかし政権に就くや、それを上回る「ポストのたらい回し」が常態化しているではありませんか。

その象徴が、国会に一度も出席せず答弁にも立たなかった田中慶秋前法務大臣です。田中前大臣は、外国人からの献金や暴力団関係者との交際もあった。そのような人物をなぜ、よりにもよって法務大臣に任命したのか。総理の任命責任は極めて重い。

また、田中前大臣の辞任により、民主党政権下の拉致問題担当大臣は8人目になりました。こんなことで腰を据えた交渉ができますか。「もうどうでもいい」という“投げやり人事”としか思えません。

そればかりか、今回の改造は、これ以上の離党者を出さないための配慮が働いたとも指摘されています。適材適所とは程遠い、能力や資質より党内事情を優先した、全くの「内向き人事」ではありませんか。

ほかにも、民主党の看板政策であった少子化対策担当大臣は、この3年間で10人目、消費者担当大臣も9人目です。猫の目のようにクルクルと閣僚が代わる。マニフェストの総崩れと同様、「政治主導」も総崩れ、もはや政権の体をなしていません。

課題解決先延ばしの“死に体”内閣

3党党首会談

先月19日、民主・自民・公明3党の党首会談が行われました。3党の党首選から実に3週間以上が無為に経過した後の党首会談でした。

総理、あなたは8月8日、当時の自民党の谷垣総裁とわが党の山口代表に対して、「近いうちに国民に信を問う」と約束をしました。そして、今回の党首会談に先立って、3党幹事長会談で民主党の輿石幹事長は、解散に関して総理から「具体的で新しい提案がある」と確約をしました。

ところが、ふたを開けてみると、あなたは、「責任は十分自覚している」「条件が整えば、きちっと自分で判断したい」と述べただけで、具体的で新しい提案は全くありませんでした。そして、その条件整備として、特例公債法案の成立や衆議院の「一票の格差」是正、社会保障国民会議の早期設置の3点を求めました。

しかし総理、それらの課題の解決を先延ばししてきたのは、むしろ政府・与党ではありませんか。それにもかかわらず、その責任を野党に転嫁するのは本末転倒であり、政府・与党としての自覚もなく、責任も放棄していると言わざるを得ません。

加えて、「近いうちに国民に信を問う」と約束した時点で、野田内閣は既に「レームダック=死に体」であり、諸外国から外交交渉や合意の相手と見なされていません。いたずらに時を過ごすことが外交課題の解決を遅らせ、国益を損ないます。

しかも、年度を通じて執行に責任を負えない平成25年度予算の編成に着手しようとしている。もはや政権の延命、時間稼ぎと断じざるを得ません。

8月の「3党合意」で「近いうちに国民に信を問う」とした「近いうち」とは、少なくとも「年内」が常識です。

総理、今こそ、あなたの勇気ある決断で政治を大きく前に進めるときではありませんか。その覚悟を示せ、と強く申し上げたい。

民主党3年間の失政

民主党が政権交代を果たしてから3年。振り返れば、国民の期待もむなしく、数多くの失政を繰り返し、国民を裏切り続けた3年間でした。

第一に、マニフェストの崩壊です。

民主党は衆院選マニフェストで子ども手当、月額7万円の最低保障年金、暫定税率の廃止、高速道路無料化など、華々しい政策を掲げました。しかも、これらに必要な16.8兆円の財源は、消費増税をしなくてもムダの削減や予算の組み替えなどで十分確保できるとしながら、民主党自身が「実現可能性について、検討・検証が不十分な部分があった」と認めているように、結局、財源を調達できず、看板倒れに終わりました。

マニフェストの総崩れで、国民の政治不信を増大させた責任は極めて重大です。

第二に、外交・安全保障政策の迷走による国益の喪失です。

鳩山政権での普天間基地問題の迷走にはじまり、菅政権での尖閣沖漁船衝突事件をめぐる弱腰外交、そして野田政権での領土をめぐる問題と日中、日韓関係の悪化など、国益を損失し続けています。

これ以上、民主党政権にこの国の外交・安全保障を任せるわけにはいきません。

第三に、東日本大震災からの復旧・復興の遅れと原発事故対応の混乱です。

民主党は、震災直後から「遅い、鈍い、心がない」対応を繰り返し、被災地の復旧・復興の足かせとなりました。

今に至っても、到底、被災地の思いに即した対応とはなっていません。例えば、あなたが所信で触れた仮設住宅の「追いだき機能の追加」も、公明党の2回にわたる仮設住宅総点検の結果から、再三再四、設置を求め、ようやく実現したものです。あまりにも対応が遅い。これ以上の復興の遅れは許されません。

また、東京電力福島第1原発事故の対応についても、政府、国会、民間、東電のそれぞれの事故調報告は、菅前総理ら官邸の強引な介入が「混乱をもたらした」との見解でおおむね一致しています。

民主党の政治主導が誤っていたことは、もはや客観的評価となっており、この政治による「人災」の責任は逃れられるものではありません。

第四に、経済無策による日本経済の悪化です。

経済問題は後ほど触れますが、民主党政権は、円高・デフレに対し、何ら効果のある対策を打てず、日本経済は低迷しています。

民主党政権には、もはや日本経済を再生する知恵も実行力もありません。

第五に、水膨れ予算による財政の悪化です。

事業仕分けも掛け声倒れに終わり、歳出削減の努力も中途半端で、予算の水膨れも是正できていない。これでは、国債市場からの信用も失われかねません。

以上、民主党政権3年間の失政は明白であり、「国民の生活が第一」どころか、国民生活を台無しにし、国益を損ねた責任は極めて大きいことを強く指摘しておきます。

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