- 2020年10月30日 07:58
【コロナ禍での政治手腕】
アメリカのことし7月から9月までのGDP=国内総生産が昨夜、発表されました。年率換算で33.1%の大幅な伸びでしたが、大統領選挙を目前に控えて、新型コロナウイルスの感染が増加しています。
トランプ大統領が主張するように感染拡大は角を曲がったのか。それてもバイデン候補が主張するように今のままでは国民の命は危ないのか。コロナ対応が選挙の結果に直結しそうです。
FTはTrump’s path to victory narrows as Covid cases surge in Midwest(中西部でコロナ感染急増に伴い、トランプの勝利への道筋が狭まる)の中で、来週のアメリカ大統領選挙で、4年前にトランプ勝利に導いた激戦州となる中西部の州で新型コロナウイルスの感染が拡大していることで、トランプ大統領の再選の道が狭まっていると報じています。
野党民主党のバイデン候補は、アメリカで約22万人が亡くなった新型コロナウイルスへの対策が今まさに問われていると主張しているということです。
中西部は寒さが厳しいことから市民が屋内で過ごす時間が増えていて、太陽が燦々と降り注ぐことからサンベルトと呼ばれるフロリダ州、アリゾナ州、ノースカロライナ州、ジョージア州などで確実に勝利することの重要性を指摘。
FTの分析では、新型コロナウイルスの感染者が1週間で7%以上増えた州では、バイデン候補が平均して4.3ポイントのリードをしている分析ししています。
これに対して感染者が6%以下の州ではリードの差が1.4ポイントにとどまっているということです。
Washington PostはIn Closing days, Trump and Biden push opposing pandemic strategies(選挙戦最終盤でトランプとバイデン、正反対のコロナ対応を後押し)の中で、アメリカで22万5000人以上がコロナで亡くなっているにもかかわらず、トランプ大統領は選挙戦最終盤で「もう角を曲がった」などと述べ、コロナは消えて通常生活に戻るとして、これまでの戦略を推し進めていると伝えています。
これは科学的な根拠がないものの、コロナ疲れの有権者の共感を呼ぶと踏んでいるとしています。
New York TimesもTurmp’s Closing Argument on Virus Clashes With Science, and Voters’ Lives(トランプの最終版の主張は科学、そして有権者の命に半するもの)として、アメリカで新型コロナウイルスの感染が急増する中でトランプ大統領はマスクをしていない(maskless)支持者を前にして、新型コロナウイルスが目の前かきえつつあって健康も健康も脅威は消えつつあると訴えていると報じています。
死者が増えて、株価が下落し、ペンス副大統領の側近の間で感染が広がっているにもかかわらず「角は曲がった(rounding the corner) 」と主張しているとしています。
トランプ大統領は、メディアが新型コロナウイルスに焦点を当てていることに腹を立てていて、74歳の自らも、そして10代の息子も感染したものの、大したことなったと主張しているものの、今週に入って株価が急落し、世論調査で有権者がトランプ大統領のコロナに対する見通しを信じていないとしています。
これに対してバイデン候補(77歳)は大規模な選挙集会は避けて慎重な姿勢を続けているということです。