記事

明日参院本会議で「緊急質問」実施へ:国会ミニ知識、「質問」と「質疑」の違い

 参議院では野田首相の所信表明演説を聴くための本会議は開かれなかった。院として問責を決議している首相のこれからの取り組みについて聴くことなどあり得ないので、当然のことだ。全野党が一致して本会議を開かせなかった。マスコミは「所信の聴取が行われなかったことは前代未聞」と批判しているが、問責を受けた首相が平然と次の国会を召集し、所信表明を行おうとすること自体が前代未聞なのだ。

 さて昨日野党国対委員長会談が行われ、11月2日に本会議で「緊急質問」を行うことになった。これは国会法で規定されている制度で、本会議で議決を行えば、議員が政府に対して「質問」が出来る。
 今回はこの制度を活用して野田総理に対して「問責決議が可決されたことについてどう考えているのか?どう対処したいと思っているのか」を質すことになった。

 「え?国会っていつもみんな質問しているではないか?いちいち本会議の議決がないと質問できないのか?」と思われるかもしれない。実は皆さんが「質問」と思われている委員会や本会議での議員の質問は正式には「質疑」なのである。
 「質問」と「質疑」はどう違うのだろうか?国会法等のルールでこの違いは厳格に規定されている。ちょっと説明したい。

 端的に言うと口頭で行うのが「質疑」、書面で行うのが「質問」である。

 昨日も安倍総裁や甘利政調会長による、野田総理の所信表明演説に対する「代表『質問』」が行われた。口頭で行われているのに慣習として「代表質問」と表現されているが、国会の正式な定義としてはあくまでも「質疑」である。現に国会公報上の記載は「国務大臣の演説に対する質疑」となっているし、昨日の衆議院本会議でも横路議長は「これより国務大臣の演説に対する質疑に入ります。安倍晋三君」と進行している。


 「質疑」というのはあくまでも法案や予算案、決議案、大臣の演説、報告といった特定の議案に対して、疑問点を質すという定義になる。
 本会議の代表質問や委員会で行われる法案や予算に対する質問も、国会のルール上は「質疑」のうちである。そして「質疑」は口頭で行うことになっている。

 一方で特定の議案とは関係なく、国政全般について議員が聞きたいことについて政府に説明を求めるのが「質問」である。
 「質問」については国会法74条から76条で規定されていて、議長の承認を得て書面で行うことになっている。皆さんがよく耳にする「質問主意書」というのがこの書面にあたる。

 「質問」はあくまでも書面で行うことになっているのだが、国会法76条で「質問が、緊急を要するときは、議院の議決により口頭で質問することができる」と規定されている。その条文に基づき、特例として口頭で行う「質問」が明日開催される本会議で行われる予定の「緊急質問」なのである。

あわせて読みたい

「国会」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    「Mr.慶應」性犯罪で6度目の逮捕

    渡邉裕二

  2. 2

    再び不倫 宮崎謙介元議員を直撃

    文春オンライン

  3. 3

    テレビ劣化させる正義クレーマー

    放送作家の徹夜は2日まで

  4. 4

    案里氏 法廷で昼ドラばりの証言

    文春オンライン

  5. 5

    公務員賞与0.05か月減に国民怒れ

    わたなべ美樹

  6. 6

    4連敗の巨人 原監督に欠けた潔さ

    NEWSポストセブン

  7. 7

    急速に進みだした日本企業のM&A

    ヒロ

  8. 8

    ユニクロ+J高額転売でも売れる訳

    南充浩

  9. 9

    日本沈没ドラマ化に思わぬ批判

    女性自身

  10. 10

    相次ぐ遅刻 憲法を軽んじる自民

    大串博志

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。