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ココイチ創業者「店のまわりを掃除するなら、365日続けないと意味がない」

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カレーハウスCoCo壱番屋創業者の宗次徳二氏は、店舗スタッフの基本的な仕事として「周辺の清掃」に力を入れていた。宗次氏は「近隣清掃で一番難しいのは、継続すること。365日行わなければ掃除をする意味がない。それは自分との闘いであり、生き方の問題であり、経営者としての姿勢の問題である」という――。

※本稿は、宗次徳二『独断 宗次流 商いの基本』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

2019年6月6日、東京都内にある「カレーハウスCoCo壱番屋」
2019年6月6日、東京都内にある「カレーハウスCoCo壱番屋」 - 写真=西村尚己/アフロ

うわべは真似できても、精神までは真似できない

「根本精神」を大切に守れば必ずうまくいく

数十年来の長きにわたり、食に関する業界では“胃袋戦争”が続いている。栄枯盛衰、優勝劣敗の厳しい環境で、ややもすると同業者対策の低価格競争が起こり、生き残るだけでも大変である。そんな中、ココイチは創業以来ただの一度も値下げすることなく、成長を続けている。

その理由はどこにあるのかと言えば、創業の原点である「現場主義の接客第一」を貫いていることだ。お客様の声に耳を傾けて前向きに改善を進め、「ニコニコ・キビキビ・ハキハキ(ニコ、キビ、ハキ)」をモットー(現在はココイチの社是)とするお客様を大切にする姿勢だけはどこにも負けないという自負があった。この思いは、ココイチを退いた今でも変わらない。

逆に言うと、商品にしても供給システムにしても、お金をかければ他社でもココイチの真似をすることはできる。実際に、屋号から店の作りからメニューまで、唖然とするほどソックリなコピー店が現れたこともあった。しかし、そのチェーンはココイチと同じようには繁盛しなかった。外見をいくら似せても中身までは似せられなかったのだ。お客様は、それをきちんと見抜いたのである。

だから、私はライバル店が近くにできても一切気にせず、値下げ競争にも乗らず、自社の根本精神をひたすら磨き続けてきた。そうすれば必ずうまくいく、という確信があったからだ。

経営コンサルタントに学ぶより、現場で真剣に働くことが大事

明日の経営のヒントはすべて「現場」にある

経営者の中には経営書をはじめ哲学書や歴史書などを読んで経営の参考にする人が多いが、私はそれほど本を読まないし、誰にも経営の相談はしていなかった。だから他人の影響をあまり受けていない。また、経営コンサルタントの先生の指導も全く受けていない。まさに変人経営者の極みといったところか。

では、私が何から経営の発想を得ているかといえば、それは現場である。現場で真剣に働いていれば、社員に対しても、お客様に対しても、もっとよくしてあげたいという気持ちが湧いてくる。だから、明日の経営のヒントはすべて現場にあると思って、毎日一生懸命働いてきた。現場で気づいたことは、その都度メモに書いてきた。

それを後で読み返してみると、5年前も10年前も書いている内容はほとんど同じだった。そういうものが蓄積されて、ココイチの経営ノウハウになったのである。

このような私の徹底した現場主義は、始まりが場末の小さな喫茶店だったことと関係しているかもしれない。いつ潰れるかもわからなかったし、大きくしようという思いもなかったから、すべて自己流でやってきたのだ。しかし、結果を見ると、道なき道を自分で切り開いていくというやり方は、自分の性分にとても合っていたように思う。

クレームのはがきは事業改善のヒントが詰まったファンレター

お客様からの「クレームは財産」である

店舗数が80店前後になり経営が軌道に乗りつつある頃、私は全店舗にアンケートはがきを設置した。ココイチを利用したお客様の声に、耳を傾けてみようと考えたのだ。

そこで本社宛ての専用はがきを店のカウンターやテーブル席に用意し、投函してもらうようにすると、多い時で月間3万通もの声が寄せられた。毎月多額の郵便料金がかかったが、書かれている内容はすべてありがたい言葉ばかりだった。

多くのメール
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/tadamichi

私や本部のスーパーバイザーが毎日すべての店舗を巡回指導できるわけではない。その一部を、アンケートはがきが担ってくれたのだ。

私はスタート時から会長職を引退する2002年5月末まで、丸15年間にわたり、毎日3時間半の時間を費やし、すべてのはがきに真っ先に目を通した。嬉しいことに「よかった」という声が圧倒的だったが、「がっかりした」「二度と利用しない」といったコメントもあった。私はそこに価値を見出した。元々それが目的で始めたのだ。私はクレームの文面をコピーし、そこにコメントを添え、該当する営業所や店舗にファクスで知らせて善処を求めた。

クレームのはがきは経営上の欠点を修正するヒントを与えてくれる貴重な財産である。言葉を換えれば、わが社への期待が書かれたファンレターだと言っていいと思うのである。

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